このカメラはフォカという名前のフランス製のレンジファインダー機です。ライカコピーのひとつとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。 フランスで唯一のライカ型カメラとも言われてますが、単にライカのコピー機に甘んじるのではなく「ライカのような精密小型カメラ、それもフランス独自のものを作りたい」という目標のもとに作られたカメラなのです。 このカメラを製造していたのはフランスのOPL社という会社で、第二次世界大戦の前あたりからフォカの構想が立てられていたようです。しかし戦争が始まり結局フォカが世に出たのは1945年の終戦後でした。この最初に発売されたフォカがフォカPF2(通称ツースター)と呼ばれるもので、フォカシリーズの一番目にあたるモデルです。PFとはPetitFormatのことで、スモールフォーマットつまり35ミリ判であるということを示しています。 フォカシリーズには距離計のないスクリューマウントのものと、28〜135mm間で連動するバヨネットマウントのもの、そしてこのPF3のように50mmにしか連動しないものがあります。 今回とりあげるフォカPF3は、1947年ごろに発売になったモデルで、ボディ前面のネームプレートに☆が3つ並んでいます。これはフォカPF2bisというフォカの代表的なモデルにスローシャッターを取り入れたもので、ネームプレートとスローシャッターを除けば全く同じものと言えます。 レンズは沈胴式の50mmF1.9。シャッタースピードはT、Bと1〜1/1000秒まで。高速シャッターダイヤルがフィルム巻き上げの部を兼ねています。フィルム巻き上げはこのあとのフォカPF3Lというモデルではレバー巻き上げに変わっています。 フォカシリーズのカメラは「ジャリ」という独特なシャッター音がします。操作方法のページで聞くことができますので聞いてみて下さい。 では、使い方を見ていきましょう。 型式:レンズ交換式35mmフォーカルプレンカメラ 発売:1947年ごろ、フランスのO.P.L社 マウント:フォカスクリューマウント、口径36mm レンズ:OPLAREX 50mm/f1.9 沈胴式 シャッター形式:フォーカルプレンシャッター シャッタースピード:二軸式、T・1・1/2・1/5・1/10・1/25秒(低速ダイヤル)、B・1/50、1/100、1/200、1/500、1/1000秒(高速ダイヤル) シンクロ接点:F、E ファインダー:二重像合致式、距離計連動(50mmのみ) フィルム巻き上げ:ノブ式、セルフコッキング フィルムカウンター:順算式ダイヤル フィルム巻き戻し:ノブ式 フィルム装填:裏蓋取り外し式