アメリカ製のこの35ミリカメラは、大型カメラやスピードグラフィックで有名なグラフレックス社から発売されたものです。 このカメラの前身になったのが「CIRO35(シロ35)」というカメラで、これは同じくアメリカのシロ・カメラが製造していたものですが、大型カメラばかりでなく時代のニーズで35ミリカメラの必要性を感じていたグラフレックス社が同社で販売をしていました。 そのそのシロ35の後継機として1955年に発売されたのが今回紹介する「グラフィック35」です。 構造は基本的にはシロ35をそのまま引き継いでいるのですが、グラフィック35に独自に組み込まれたユニークな機構があります。それは、シーソー式のフォーカシングです。レンズの左右にそれぞれボタンがついており、向かって右側のボタンを押すと最短撮影距離側に、左側のボタンを押すと無限遠の側にヘリコイドが前後します。 ボディはきれいなグレーの革張りで、無骨な感じのないどこか上品さのある仕上がりになっています。 それでは、使いかたを見ていきましょう。 発売:1955年 グラフレックス社 型式:35ミリレンズシャッターカメラ 使用フィルム:35ミリフィルム レンズ:GRAFLAR50mm/f3.5 距離計:上下像合致式 フォーカシング:ボタンによるシーソー式、距離計と連動 シャッター:プロンターSVS シャッター速度:B、1〜1/300秒、V、X、M接点 フィルム送り:ノブ式