M2の生産は1958年に始まり、総生産台数は約8万7000台。 それでもM4の1.5倍、M5の2.5倍もの台数が作られた事になります。 M3と同じく大多数はドイツ・ウエッツラーで製造されたクローム・モデルであり、ドイツ製と カナダ製の比率は48:1。ブラックペイントは約2000台が製造されました。 M型ライカの型名は3、4、5と続いている訳ではありません。 M3の次に登場したM型ライカはコストダウンした下位機種として「M2」と 名付けられました。しかしM2はフラッグシップ機のM3を抑えて、後々まで続く M型ライカの基本形となったのです。その最大の要因は「35mm枠」でした。 基本的なスペックは現在のM6TTLに継承されています。 最大の特徴は、M3で0.91倍であったファインダー倍率を0.72倍に下げ 135mmの代わりに35mmフレームを組み込んだ事です。 50mm枠がほぼ等倍で見えるM3の魅力は消えたものの、簡略化されたファインダーの見え方も 問題なく、操作感も劣ることはありません。逆に装填レンズに合ったフレームが すべて単独で表示されるM2のファインダーは、使い易さの点では限り無くシンプルで ベストに近い状態です。現行まで35mmフレームがほぼ標準装備になった事を考えると それだけ35mmレンズを使えるメリットを感じるユーザーが多かったのでしょう。 またM2で成功したシャッター機構はM3にフィードバックされています。 以前は先幕と後幕それぞれに設定されていたシャッターブレーキがM2では 一つになり、ワンストロークでブレーキ。整備性が向上しました。 最後期にはフィルム装填を素早くするラピッド・ローディング・システムを組み込んだ M2-Rが登場し、M4ではこの新しいフィルム装填方式が標準装備になっています。 発売:1958年 マウント:ライカMバヨネット式 ファインダー倍率:0.72倍 ブライトフレーム表示:35/50/90ミリ 距離計基線長:68.5ミリ 有効基線長:51.4ミリ シャッタースピード表示:B・1・2・4・8・15・30・60・125・250・500・1000 シャッター形式:機械式横走り布幕 露出計:なし フィルム巻き上げ:初期2回巻き上げ、後期1回巻き上げ フィルムカウンター:手動リセット式 フィルム巻戻し:引き上げ式ノブ セルフタイマー:内蔵/なし サイズ:W138×H77×D33.5ミリ 重さ:580グラム