ニコマートシリーズは、ニコンFのサブ機として1965年にデビューしました。 ニコンが、ニコンFで高級機メーカーとして世界的な信頼を得た時期でもあります。 しかし、同時期に手がけていたニコフレックス等の普及型一眼レフではニコンFとのギャップが大きすぎ、サブ機の役目を果たせませんでした。 普及型モデルを先に購入したユーザーでも、自然にニコンFへとステップアップできるような、ニコンFのサブ機の誕生が望まれていたわけです。 そこで誕生したのが、露出計のつかないFSと、平均測光のTTL露出計内蔵のFTでした。 その後、FTの測光方式を中央部重点測光に変更し、開放値のセットを簡略化したのがニコマートFTNです。 ファインダー内に表示される情報に、シャッター速度が加えられ、ファインダ-から目を離すことなく必要な全ての情報を得ることができます。 また、縦走りメタルフォーカルプレーンシャッターによってストロボ同調が1/125秒であることも特徴です。 型式:35mmフォーカルプレーンシャッター式TTL一眼レフカメラ ファインダー:固定式ペンタリズム、固定式スプリットイメージまたはマイクロプリズム重点板 露出計:Cds使用TTL中央部重点測光式、定点合致式連動露出計 フィルム感度対応範囲:ISO12〜1600 シャッター速度:B、1〜1/1000 セルフタイマー:あり シンクロ接点:M、X接点 フィルム巻上げ:レバー式 フィルム巻き戻し:クランク式 サイズ:148.5×95×90mm 重量:約765g その他のニコマート EL・・・ニコン初の電子制御のシャッターを組み込み、絞り優先のTTL・AE機構。FTやTFNの機構を引き継いでいるが、ボディー周りは全くの新設計。シャッター速度は4〜1/1000秒、フィルム感度範囲はISO25〜1600。(72年) ELW・・・ELにオートワインダーを装着。自動巻上げが可能。(76年) FT2・・・FTNのマイナーチェンジ版。ペンタ部のデザインが変わり、ホットシューを固着。また、それまで2個(M、X接点)設けられていたシンクロソケットが抜け止め防止ネジ付き1個にまとめられる。(75年) FT3・・・FT2を新たなAi方式に変更。非Aiレンズでの絞込み測光も可能。(77年) EL2・・・ELWをAi方式に変更したもの。また、受光素子をCdSからSPDに変更。シャッター速度は8〜1/1000秒、フィルム感度対応範囲は12〜3200。(77年)