発売当初はヤシカEの商品名でした。ヤシカ(現京セラ)が、距離計連動式の35mmフォ-カルプレ-ンシャッタ-カメラの 老舗の一つであったニッカカメラを吸収合併したのはYE発売の前年5月のことです。しかしニッカカメラのグループは ヤシカの陣容に、即吸収されることなく別会社組織として発足した大邦光学を構成しました。 創業者であると同時に社長の牛山善政(敬称略)は、ニッカカメラとの吸収合併の際、 信仰していた宗教家にお伺いをたてたところ、すぐに一緒になると本家のヤシカの屋台骨が傾きかねない、とのご託宣を受け、 ニッカカメラを大邦光学として別組織にし、昭和41年、全社員がヤシカに移籍するまでの8年間存続していたのでした。 大邦光学では自動工作機の導入、部品の標準化、組み立て行程の簡易化等、生産性を向上させる目的での技術革新が進みました。 しかし手直し、手調整といった手工業的にたいして巧の技を身に付けていた熟練技術者の一部には、 その技術革新の波に乗れずに挫折してしまったものもいたといいます。 今日、わずかですが旧ニッカカメラ-大邦光学-ヤシカ、ヤシカ、そして京セラと歩んできた社員も健在です。 さてヤシカ初の35mmフォ-カルプレ-ンシャッタ-式距離計連動カメラとなったヤシカYEは 価格競争を全面に押し出す商品コンセプトで発売されたニッカ33の、そのまんまヤシカ版、といった機種。 価格はヤシカらしく一層低価格となって発売されました。外観デザイン、仕様・機能と共にニッカ33と変わりありません。 発売:1959年3月 型式:35mmフォ-カルプレ-ンシャッタ-式距離計連動カメラ レンズ:ヤシコール50/2.8 シャッター:布幕横走行フォ-カルプレ-ン、B、X、1/2〜1/500、 倍数系列式2軸2ダイヤル、セルフなし、FP・X接点 ファインダー:二重像合致式距離計と、視野倍率0.5倍の逆ガリレイ式 ファインダーによる二眼式距離計型。距離計の基線長は 57mm、視野率は85パーセント フィルム給送:底蓋取り外し式、上面レバ-巻き上げ(分割可)、 巻き戻しはノブ回転式フィルムカウンターは手動セット 順算式、フィルムはマガジンの使用も可 マウント:標準ネジ(通称ライカマウント)式マウント、内径39mm、 フランジバック28.8mm、 サイズ:148x47x72mm 重量:約760g
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