●終わりに
以上は、あくまでもパソコンのモニター画面で画素等倍に伸ばした場合の画質でありまして、先ほどの太鼓門のシーンと同じようにヨシの群生をインクジェットプリンターでA3ノビ(半切相当)にプリントした限りでは、ニコンとソニーの差はまったくわからなくなるのです。むしろ見方によってはニコンのほうが背景まで解像感があるようにも見えるのです。難しい結果です。
結局ここまでくると、ボディを見ていたのか、レンズを見ていたのかなかなか判断できません。特殊な場面での測光値や再現色などを別にすれば、同じ画素数(同じ撮像素子)なら、撮影レンズの違いのほうが、画質に与える影響は大きいのではないだろうか、というのが今回の僕の印象です。もちろんそのレンズというのは、ピント精度、ブレなども含んでのことでありまして、今回はそのような不確定要素を排除するために、同じ撮影場所で、同じ三脚使用、同じ絞り値、同じISO感度、複数回撮影してベストを比較検討用としたのです。
僕の知人のD800Eの使い手Nさんによると、デジタルなのだから撮影感度を上げて、シャッタースピードを1/4000秒以上の高速で切ればブレはなく、きれいに撮れるというのですが、今回の撮影にはそれは当てはまらないわけです。また、厳密にニコンとソニーのボディの差を写りで知りたいときは、ニコンD800Eで使ったレンズを、マウントアダプターを介してソニーα7Rで使ってみればいいのですが、僕はここまでで終わりにします。
今回の比較をさらに知りたい方は、ご自身で各データをダウンロードして少なくともA3ノビクラスにプリントして見比べてください。ただ、この場合個人での利用には問題ありませんが、業務での無断使用はお断りいたします。 (2013.12)