【写真11】会場半分を俯瞰しました。イスに座って4Kモニターでハイビジョン映像を見ることができます。(写真をクリックすると大きく見られます)
■「ノンライツRF友の会とハービー・山口」写真展
写真展開催にあたりサブタイトルは“それぞれのα7”としました。メンバーは、永島明、谷雄治、宝槻稔、山田淳、渡辺和哉の5人に加え、スペシャルゲストとして、写真家 ハービー・山口さんと私の合計7人です。写真展は一般的にいうグループ展となりますが、統一テーマを設けてというようなことではありません。そもそも各人が、ふだんから自分なりの撮影テーマを持っている大ベテランなのです。【写真11】には、展示会場の雰囲気を示しました。
それでは、それぞれの作品をご覧に入れましょう。
●永島 明 (Akira NAGASHIMA)
『飛翔』【作品1、写真12右】
東京で生まれ育った私にとって湘南、三浦は一種憧れの場所でした。それが横浜に住むようになってすでに30数年、今や撮影場所として重要なテリトリーとなりました。ふだん何気なく見えている風景が視点を変えると全く異なった風景となって現れます。それは時間であったり、天候であったり、またレンズであったり、アングルであったりします。その変化を期待して凝りもせず通い続けています。自然はいつも、殆どどんな場合にもそれなりの姿を見せてくれるのですが、時にはこの写真のように素晴らしい偶然に遭遇させてくれることがあるのです。
※1946年、東京新宿生まれ。1966年、東京写真専門学院卒業。神奈川県在住。
【作品1】『飛翔』永島明(Akira NAGASHIMA)、Camera:α7R、Lens:Vario-Tessar T*FE16-35mmF4 ZA OSS
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【写真12】ゲスト作家ハービー・山口さんの作品(左)と永島明さんの作品(右)。(写真をクリックすると大きく見られます)
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●谷 雄治 (Yuji TANI)
『江の島ヨットハーバー』 【作品2、写真13】
1964年、東京オリンピックヨット競技のため作られ、日本のヨット競技の歴史を刻んできた江の島ヨットハーバー。週末の度にカメラを持って足繁く通ううちにハーバー内に顔見知りも自然とできてきた。海を見て船を見て風を見て1日を向きあう良い時間がここには流れている。今週末も風や友に会いにヨットハーバー通いが続く。この付き合いが人生の主軸になりつつある。良いカメラは人生をより豊かに楽しく過ごすためのエッセンスだろう。
※1956年、東京深川生まれ。高校時代写真映画部にて写真を始める。東京都在住。
【作品2】『江の島ヨットハーバー』谷 雄治(Yuji TANI)、Camera:α7R、Lens:SonnarT* FE35mmF2,8 ZA
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【写真13】谷雄治さんの作品。全体は5枚の組み写真で構成されています。(写真をクリックすると大きく見られます)
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●宝槻 稔 (Minoru HOHTSUKI)
『夜の煌き』【作品3、写真14】
街は夜の帳とともに昼とは違った顔を見せてくる。それはときには怪しく、ときには寂しく人を魅了する。良く見えない物に、じっと眼を凝らすとき、ふっと見えなかった物が見えてくる。見ていたと思ったものが違った容貌を表してくる。夜の煌きと共に。そんなとき、私は思わずシャッターを切ってしまう。きっと夜の煌きが私にそうさせてしまうに違いない。
※1953年、東京新宿生まれ。1977年電気通信大学電子工学科卒業。通信会社勤務を経て写真活動を開始。東京都在住。
【作品3】『夜の煌き』宝槻稔(Minoru HOHTSUKI)、Camera:α7R、Lens:Vario-TessarT*FE 24-70mm F4 ZA OSS、CarlZeissBiogonT* 2/35 ZM、Kern Aarau SWITAR 1:1,8/50AR
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【写真14】宝槻稔さんの作品。全体は4枚の組み写真で構成されています。(写真をクリックすると大きく見られます)
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●山田 淳 (Jun YAMADA)
『Girls x Graffiti』【作品4、写真15左】
グラフィティ、ウォールアート、タギング。いろいろな呼び名が未だ定着しない、いわゆる「壁の落書き」は忌み嫌われるものから、ときには数千万の値がつくものまでさまざまである。ところが日本では一様に未だ「壁の落書き」である。アートに対する理解よりも道徳を重んじる日本らしい状況だなぁ、と苦笑するばかりである。今のところ日本ではこのような廃墟に入り込んで、描き上げるしかない。しかしそれゆえの異彩を放っているともいえる。その、素晴らしい日本のWriterの作品を背景に使わせていただいた。
余談、グラフィティには「上書きは今ある絵より優れたものを」という不文律がある。そうやって成長していくアートである。
※1970年、東京世田谷生まれ。インテリアデザイナーを経て写真活動を開始。東京都在住。
【作品4】『Girls x Graffiti』山田淳(Jun YAMADA)、Camera:α7R、 Lens:CarlZeissDistagonT* 2,8/21ZE、VoightlanderNOKTON35mmF1.2 Aspherical
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【写真15】(左)山田淳さんの作品。全体は6枚の作品で構成されています。(右)渡辺和哉さんの作品。プリントはこれ1枚、4Kモニター用にほかに2点あり、すべての作品で合計3枚です。(写真をクリックすると大きく見られます)
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【作品5】『雪の中でのまちあわせ』渡辺和哉 (Kazuya WATANABE)、Camera:α7R、 Lens:CarlZeissJenaR-Biotar 1:0,85 f=5,5cm T
●渡辺 和哉 (Kazuya WATANABE)
『雪の中でのまちあわせ』【作品5、写真15右】
毎年1月1日の元日に岩手県滝沢市の蒼前神社で行われる「チャグチャグ馬コ初詣」を見に行ったときに、深々と雪の降るなか、傘をさして出番を待つ少女に出会いました。写真を撮ろうとしたら、ちょうど雪がやみ、風が吹いて少女の周りだけ雪が舞っていました。
レンズは、1932年にカール・ツァイス社のW.メルテが設計したレントゲン間接撮影用で、F0.85という驚異的な明るさです。ただし一般撮影用には収差が多く、このような写りとなります。レンズ自体は、ライカスクリューマウントですが、距離計が連動しないために目測での撮影となり、いつも苦労して撮影していましたが、レンズを通した画像で直にピントを合わせできるソニーの「α7」が出現して、このレンズの性能を初めて発揮できるようになり、うれしく思っています。
※1963年、山形新庄市生まれ。大学時代を過ごした石川県金沢で写真活動を開始。山形県在住。
【作品6】『ブライトンの海 2013』ハービー・山口(Herbie YAMAGUCHI)、Camera:α7、Lens:FE28-70mmF3.5-5.6 OSS
●ハービー・山口 (Herbie YAMAGUCHI)
『ブライトンの海 2013』【作品6、写真12右】
23歳のとき、初めてイギリスに行き、住み始めたのがここブライトンの町です。部屋から数分で海岸に行けました。写真家になる夢を抱きつつ、海を眺めていました。40年後の2013年、この海に写真家として訪れたのは幸せなことでした。
※1973年大学卒業後に渡英。ロンドンのミュージシャンを撮影し高い評価を受け、10年間のロンドンでの生活で写真家としての礎を築き帰国。日本写真協会 2011年 作家賞受賞。
●市川 泰憲 (Yasunori ICHIKAWA)
『Symbiosis』【作品7、写真16】
僕の写真はファインダーをのぞき、構図をツメていくとかなりの割合でシンメトリーな写真になることが多いのです。どうしてだろうといつも考えるのですが、どうやら写真を撮る割合のかなりの部分がレンズとカメラの画質をベストに引きだそうと思っていて、自然と構図的にそのあたりに収束していくのです。Symbiosisとは“共生”を意味します。写真は宮崎県の青島に行ったときに見つけた1本のソテツです。このソテツに、ツワブキ、シダ、ヤドリギなどが共に育っていたのです。植物学的には寄生というのかも知れませんが、ツワブキの花がきれいに咲いていたことで、むしろ共生ではないかと思ったのです。
※1947年東京生まれ。1970年、東海大学光学工学科卒業。小学・中学・高校・大学と写真部に所属。ノンライツRF友の会顧問。
【作品7】『Symbiosis』市川泰憲(Yasunori ICHIKAWA)、Camera:α7R、Lens:SonnarT*FE35mmF2,8 ZA
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【写真16】市川泰憲の作品(左)とノンライツRF友の会あいさつ文(右)。今回のあいさつ文、作品解説など、すべてが日本語のほか英語でも併記されました。(写真をクリックすると大きく見られます)
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