|
【ショーウインドー】ライカM9、絞り優先AE(F0.95)・1/106.8秒、撮影距離10m、AWB、ISOオート
〔画像をクリックすると拡大して見ることができます〕 |
【ショーウインドー】 最初はF0.95の描写を無限遠でねらったらどうなるかと、銀座の夜景を撮影して歩いたが、面発光体の看板などではとくに問題なく良く写るのでつまらない結果となった。そこで、コマ収差が徹底的に発生する場所を求めて撮影したのが、ショーウインドーの作例である。絞り開放F0.95、撮影距離約8mである。フォーカスターゲットは、ズバリ画面中心少し右側のハンドバッグである。ガラス越し、さらに包装用ビニール袋に包まれているが、バッグ、取っ手の質感など素晴らしい。背後にある緑色の点光源は偏らずに真円に近く描写され、さらに目を左に転じてみると、ハンドバッグと同一平面上にあるクリスマスツリーのミラーボール近辺は周辺部描写特性の高さをうかがわせる。とはいっても、画面上部を見ていただきたい。やはり開放絞りのコマの発生は見逃せない。中心から左右にかけて点光源がチョウのように見える、きわめて教科書的な作例が撮れた。
|
【浅草寺・大提灯】ライカM9、絞り優先AE(F2.8)・1/2000秒、撮影距離5m、AWB、ISOオート
〔画像をクリックすると拡大して見ることができます〕 |
【浅草寺・大提灯】 絞りF2.8にて撮影。提灯に白い網がかかっていたので、シャープさと質感の両方を見ることができた。絞り込むことにより、いままでの50mmライカレンズの中でも最高を示す1本だとは比較していないのでわからなかったが、十分にシャープさ、暗部の描写特性をも含めて満足できる結果だった。
●大口径と高感度を組み合わせる
ライカM9で設定可能なISO相当感度はISO80から最高で2500、これをISOオートセットにして、さらに手持ち限界シャッター速度の設定を1/30秒にして、最高シャッター速度1/4000秒まで。これに大口径のF0.95の絞り優先AEで撮影すると、かなりの場所で手持ち撮影が可能となる。もちろんF0.95という明るさだけではないが、最近のデジタルカメラではシャッター速度・絞りの可変に加えて、ISO感度のオートセットが入ってきていままでにない低輝度環境での撮影が可能となった。その方法は、暗いレンズでも可能なものだが、高感度とレンズ開放F値はどのように関係するかは大変興味深く面白い。ライカMデジタルでは、絞り優先AEにすることで低輝度側では、まずシャッター速度が1/30秒(任意に設定可能だが)を超えて長時間を必要とするときには、ISO感度が自動的に高感度側にシフトし、そのISO感度も高感度側の限界設定を2500でなく、やはり自分で決めることができるというわけで、おもしろい。明らかに写真の撮影領域は大幅に向上している。
高感度で大口径、正に現代だからこそ、そんな描写を楽しんでみたいものだ。