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写真1:ライカM9チタン。 外観で何が一番違うか、 おわかりいただけますか。 |
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写真2:基本的にボディは出っ張りが ないようにフラットに仕上げられている。 アクセサリシューもフラットに見えるよう にとチタンの専用蓋がされている。 |
「ライカM9チタン」【写真1】は、フォルクスワーゲングループのチーフデザイナーを務める Walter de'Silva氏と同氏が率いるアウディのデザインチームとのコラボレーションによって誕生したという。
外装はネーミングのとおりチタンなのだが、基本デザインは出っ張りをなくすことにそうとう配慮したようだ【写真2】。そのために今までのカメラの定石であった2カ所の吊り金具を排し、新たに専用の「フインガーループ」というフックと1つの取り付け穴が設けられたことだ【写真3】。
【写真4】には専用の「ショルダーホルスター」を示すが、フィンガーループには交換式で「ショルダーストラップ」か「ハンドストラップ」が取り付けられる。このあたりは、1点保持になるので、その確実さが気になる人も出てくるだろうが、かなりユニークなカメラ保持だ。【写真5】にはハンドストラップを取り付けて、ショルダーホルスターに収納した状態を示す。【写真6】には、そのホルスターから取り出す状態を示した。
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写真3:従来からのカメラにあった釣り
金具は省略されて、このために作られ たフインガーループというフックで保 持する。左下からショルダーストラップ、 ハンドストラップ、フインガーループ用 メクラ蓋 |
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写真4:ライカM9チタン用 ショルダーホルスター |
そして外観的にもうひとつ、よく見るとブライトフレームファインダーの採光窓がない。そのためにファインダー内はLEDにより視野枠が示されるという構造をとっている。これには一瞬、うん?と考えてしまったが、M9はデジタルカメラなのだから電池がなければ撮影できないわけだし、視野枠が見えなくても問題ないわけだ。(このあたりの考えを推し進めると、ライブビューを採用し、光学ファインダーの代わりにEVFを付ければ、すべてのファインダー窓はなくなるわけだが、M型次世代デジタルライカの姿が見えてきたのは僕だけだろうか)
発売は、世界500台限定というから、かなり数も少ない。価格は、国内で税込2,380,000円というからかなり高価だ。それだけ高価なだけに、パーケージ【写真7】もかなり手が込んでいる。製本職人により手作りされた箱は、左右に引き出すことにより、取扱説明書が出てきて、さらに取扱説明書を取り出すとM9チタンが出てくる。
このパッケージはライカX1と似ているが、大きく異なるのは、X1では開梱すると3段重ねの引き出しがあり、それぞれ取扱説明書、X1ボディ、バッテリー・充電器・USBケーブルなどの電装品と大別されて収納されていたことだ。
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写真5:ホルスターに収納し、 肩から下げると気分はガンマン。 |
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写真6:ホルスターからハンドストラッ プについたカメラを取り出すとき。 やはり撃つという感じに近い使い方だ。 |
このチタンボディは、インゴットから削りだされて製作されているとのことだが、表面はスイスの専門業者によりセラミックハードコーティングがなされているので、指紋がつきにくい。また、これらのアクセサリーとカメラ本体のレザー外装はアウディ車のプレミアムクラスのインテリアに使用されているものが使われているそうだ。レザー表面は、特別にデザインされたダイヤモンドパターンで型押しされホールド性が高められている。背面液晶の保護には耐傷性に優れたサファイアガラスが使われている。
このほか、ボディ正面の赤い「Leica」マークは、純度の高い樹脂に手作業でロゴを彫りこみ白いエナメルで色づけし、厚く透明ニスを塗ってから磨き上げるという技法をとっている。
なおセット内容には、チタンで削りだされた鏡胴を採用した、専用の「ズミルックスM35mmF1.4」とやはりチタン製の丸型のレンズフードやレンズキャップ、ボディキャップも含まれている。
最後に、同時期に発表されたAPS-C判のCMOSイメージャーを採用した最もライカ的なイメージのコンパクトカメラ「ライカX1ブラック」を外観写真【写真8】だけ紹介する。X1のシルバーボディは、本シリーズの第三回目「ライカX1を使ってみた」を参照いただきたい。
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写真7:パーケージは製本技術を もった職人により手作りされた。 |
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写真8:ライカX1ブラック。この時期の もうひとつの新製品だ。 |