ライカに始まりライカに終わる
市川泰憲(写真技術研究家、日本カメラ博物館)
本シリーズ「ライカに始まりライカに終わる」は、2009年に開始しました。ちょうど35mm判フルサイズのライカM9が発売された直後で、各社のレンズ交換式カメラが大きく変化していくなかで、80年も前に製造されたスクリューマウントの交換レンズがアダプターを介して、そのままフルサイズのM9に使えたことは僕にとっては大きな価値でした。そして2008年のパナソニック「ルミックスG1」、2013年の「ソニーα7」の登場はもっと衝撃でした。いずれもライカ、さらには過去の一眼レフ各社のレンズ資産をマウントアダプターで結合させ、しかもライブビューで撮像素子に写る画像をそのまま拡大して精度高く撮影することができるようになったのです。つまり新しいライカスタイルカメラの登場です。ここでは、すでにライカ中心から、カメラ全般へ話題を広げてきましたが、これからもご愛読ください。 (2016.06)
第二十二回「ライカに始まりライカに終わる」で“エルノスター10cmF2レンズをライカMで使う”を掲載したところ、それをご覧になった方から写りが良いのでご自身の所有する“エルノスター85mmF1.8”もぜひ使ってほしいというリクエストがありましたので、さっそく撮影にでかけて見ました。
1961年に発売されたライカMマウントの「ズミルックス35mmF1.4」の復刻版が2022年11月に発売されました。約60年前のレンズはどんな描写をするのでしょうか、その後に発売された第2世代レンズとともに、復刻版の写りを比較検討してみました。
すっかりカメラもデジタルとなりました。デジタルといえば数千から数万といった超高感度が得られやすいことです。ならば交換レンズは暗くても良いのではと考えられますが、ミラーレスの時代を迎えて大口径レンズが各社から発売されています。ここではコシナが2022年に発売した研削非球面レンズを採用の『フォクトレンダー・ノクトン50mmF1 Aspherical VM』をレポートしました。
2022年1月14日に発表されたライカM11は、6000万画素と高画素機で、価格は118万8千円で1月21日に発売されました。高画素、距離計連動M型ライカの実力と魅力を探ってみました。
ノクトン(Nokton)といえば最近はコシナのフォクトレンダー・ノクトンがよく知られていますが、元は1950年に西独・フォクトレンダー社(Voigotalnder)から発売されたレンズ交換式のレンジファインダーカメラ『プロミネント(Prominent)』の交換レンズのうち、最も明るいのがノクトン50mmF1.5でした。
2019年9月6日に発売された「ソニーα7R IV」を、レンズメーカーのTMARON 17~28mmF2.8 Di III RXD、SIGMA 45mmF2.8DG DN、SAMYANG AF35mmF2.8FEの3本のレンズで使ってみました。SONY α7R IVはライカ判フルサイズとしては今現在最高の6,100万画素を誇る高画素機で、それぞれ交換レンズメーカーのソニー用レンズがどのような実力を発揮するか見てみました。
キヤノンのフルサイズミラーレス一眼EOS RPが、2019年3月14日に発売されました。EOS RPは、価格的にキヤノンの2,620万画素のフルサイズミラーレス一眼の普及機として位置づけられています。その実力のほどを探ってみました。
キヤノンからフルサイズミラーレス一眼の「EOS R」が2018年10月に発売されました。先行したニコンZ7とともに、9月のドイツ・フォトキナをターゲットに発表されましたが、事実上の同時期発売といえるでしょう。ソニー、ニコンに引き続くフルサイズミラーレス一眼の登場です。さっそく使ってみたので報告をします。
待望のニコンのフルサイズミラーレス一眼として「ニコンZ7」が2018年の9月28日に発売されました。すでにフルサイズミラーレス一眼としては、ソニーα7シリーズが先行していましたが、この時期からニコンに加えキヤノンが、さらに2019年にはパナソニック、シグマも参入とされ、一気にフルサイズミラーレス一眼への弾みがつきました。さっそくソニーに引き続く、フルサイズミラーレス一眼ニコンZ7の実力を探ってみました。
ライカの交換レンズといえばズミクロンが最もスタンダードで、焦点距離35mmがこれまたスタンダードです。かつて、フィルムカメラの時代に「第1世代ズミクロン35mmF2」は伝説のズミクロンと評される人気のレンズでした。一方で「第2世代ズミクロン35mmF2」は、第1世代が8枚構成であったのに、第2世代で6枚構成となり、当時苦境にあったライツ社の合理化されたレンズだという評価がありました。ところが最近第2世代の35mmズミクロンが人気だというのです。今回はデジタルの時代にあって、改めて両レンズの描写比較を試みました。
プロター、プラナー、テッサーなど、古典のレンズ設計者として知られたDr.ルドルフは、カール・ツァイスを去った後に、ヒューゴ・メイヤー社に入り、プラズマートを発明しました。そのうちのキノ・プラズマートを使う機会に恵まれたので、使用感を報告します。
2018年2月に韓国のピョンチャン(平昌)で冬季オリンピックが開かれました。その82年前1936年の冬季と夏季オリンピックはドイツで開催され、このとき関係者に向け試験的に発売されたのが「オリンピアゾナー18cmF2.8」です。この平昌オリンピックを機会に1936年直後に発売されたオリンピアゾナーを使ってみましたので、ここにレポートします。
ライカが1935年に発売したソフトフォーカスレンズ「THAMBAR 90mmF2.2」が復刻され、2017年に発売を開始されました。オリジナルタンバールは、製造本数が少ないことからコレクターズアイテムでしたが、昨今の風変わりなレンズへの人気からか、ライカは82年後のいま復刻の断を下したのでしょう。どんな写りか紹介します。
シグマのAPS-C判ミラーレス一眼「シグマsdクワトロ」が発売されたのは2016年7月、そしてAPS-H判「シグマsdクワトロH」が2016年12月に発売されました。発売から時間が経ちましたが、この間純正、非純正クラシックなどさまざまな交換レンズを使ったので、結果を報告しましょう。
リコーイメージングから35mm判フルサイズの一眼レフカメラ「ペンタックスK-1」が発売されたのは2016年4月のことでした。これでフルサイズの一眼レフカメラを製造するメーカーはキヤノン、ニコン、ソニーに次いで4社目となりました。最後発フルサイズ一眼レフ「ペンタックスK-1」は、先行3社にどこまで迫れたか、その実力を探ってみました。
シグマのレンズ交換式ミラーレス一眼「シグマsdクワトロ」が7月7日に発売されました。独自イメージセンサーであるフォビオンクワトロを使った待望のレンズ交換式一眼なのです。レンズ固定式のdpクワトロシリーズに対し、レンズ交換式のsdクワトロの登場、その実力のほどをチェックしてみました。
2014年のドイツ・フォトキナで発表されたサムスンのAPS-C判ミラーレス一眼カメラ「SAMSUNG NX1」を使ってみましたので、簡単に使用感を報告します。このカメラは、APS-C判裏面照射タイプ2,820万画素のCMOS撮像素子を搭載するなど、技術的にも大変意欲的でしたが、サムスンのカメラ製造からの撤退が伝えられるなかのレポートとなります。
コシナからライカ判フルサイズでは最も超広角(2016.06現在)な「フォクトレンダー・ヘリアー ハイパーワイド10mmF5.6アスフェリカル」が発売されました。いままでライカ判フルサイズでは焦点距離11mmが最も短焦点でしたが、それを上回る10mmで、画角130°というものです。さっそくですが、フィッシュアイレンズとは異なる超広角を使ってみたレポートです。
2月にパシフィコ横浜で開催されたカメラと映像の祭典「CP+2016」では、新ポラロイドの上陸、空撮用ドローン、ロモグラフィーなど最新の海外写真企業が参加しました。そんな中で、専門筋の人たちに注目されたのが、中国レンズメーカーの参加と品ぞろえです。限られた本数ですが、会場で試写させてもらった中国レンズの実力を報告します。
35mm判フルサイズ一眼レフカメラで、有効画素数5,060万と最高を誇るキヤノンEOS 5Dsが2015年6月に発売されました。一眼レフで、その5,060万という画素数はどのような実力なのでしょうか? 使用してみた結果を報告しましょう。
ソニーから35mm判フルサイズ高画素タイプのミラーレス一眼として「ソニーα7R Mark II」が発売されました。いままでのα7Rは3,640万画素で、これも十分に高画素でしたが、「α7R Mark II」では4,240万画素とさらに画素数を増やしたのです。しかも、撮像素子は従来のコンパクトカメラに使われてきた、高感度に強い裏面照射タイプを採用しています。ここではα7R Mark IIが、どれだけ高画素であり、高感度に強いか、使用した結果を報告しましょう。
シグマdp0クワトロが2015年7月10日に発売されました。dpクワトロシリーズは当初、28mm相当画角のdp1クワトロ、45mm相当のdp2クワトロ、75mm相当のdp3クワトロの3機種が発表されていたのですが、2015年のCP+2015の直前に突然21mm相当のdp0クワトロが追加発表されたのです。高解像フォビオンセンサーファンにとっては待望の超広角専用機です。さっそく使用した感じをレポートします。
写真の楽しみ方はそれぞれというわけですが、過去に発売されたライカマウント、一眼レフ、シネ用の交換レンズなどを加工してレンズ交換式レンジファインダー(RF)カメラで作品づくり楽しんでいる人たちの集い“ノンライツRF友の会”があります。このグループの周辺で2013年大きな変革がおきました。マウントアダプターの使用でさまざまなレンズが使えるフルサイズミラーレス一眼“ソニーα7”の登場です。そのグループが、銀座のソニーイメージングギャラリーで写真展を開いた記録です。
ニコンから光学系の一部に回折格子を使ったニッコール300mmF4 PFレンズが発売になりました。回折格子は、位相フレネルとも呼ばれますが、光の回折現象を利用して、レンズの小型・軽量化が図れ、望遠レンズにありがちな色収差の発生を抑えられることなどを特徴としています。さっそく使用してみた結果をレポートしました。
ペンタックスの一眼レフに新型「K-3 II」が加わりました。ペンタックスの一眼レフは撮像素子を微動させて、手ブレ補正効果や光学ローパスフィルター効果をもたせたりしてきましたが、同じ技術をさらに発展させて、リアル・レゾリューション・システムと呼ぶ画質を向上させる新技術を搭載したのです。さっそく、そのリアル・レゾリューション・システムの効果を試してみました。
シグマdp3クワトロが3月に発売されました。すでにdp1クワトロ、dp2クワトロと発売されていたところに、dp3クワトロが発売されたのです。dpクワトロシリーズのFoveon撮像素子はAPS-Cですが、その解像感ある高い描写力には熱狂的なファンも多いのです。発売されてしばらく経ちましたが、使ってみた結果を報告します。
コシナからライカMマウント互換の「フォクトレンダー・スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Aspherical III」が発売されました。このレンズの初代モデルは1999年の発売で、ライカスクリューマウントでした。その後2009年には、ライカMマウント互換のVMマウントのII型となり距離計連動になりましたが、光学系はそのままでした。そしてこの2015年3月に発売されたIII型は、光学系を一新させ、最新のフルサイズデジタルカメラにも対応させたのです。さっそくその実力のほどを見てみました。
オリンパスから『オリンパスOM-D E-M5 MarkII』が2月下旬に発売されました。このカメラは2月12日からパシフィコ横浜で開かれた「CP+2015」の直前に発表されたのですが、“世界一ブレないやつ”をキャッチフレーズに、強力な5軸手ブレ補正を組み込んだことを最大の特徴にしていますが、実はもうひとつ僕が注目したのは、1ショットの同じ場面でセンサーを微妙に動かしながら8回撮影して、1600万画素のCMOS撮像素子から、4000万画素相当の画像が得られるという「40Mハイレゾショット」を搭載しているのです。そのハイレゾショットの実力を見てみましょう。
ここで紹介するズノー50mmF1.8は1958年に発売された一眼レフ「Zunow」用に開発されたものです。一方、ニッコール50mmF1.8は1983年ごろの製品です。製造された時期は25年も違いますが、どちらも、焦点距離、開放F値、レンズ構成枚数が同じことから、ライカMに装着して、比較の描写検討を行ってみました。
2014年は、ライカの生みの親であるオスカー・バルナックがライカカメラの原型である「Ur.ライカ」を1914年に製作してから100年目であり、1954年に「ライカM3」が発売されてから60周年にあたる年でもありました。もともと記念モデル好きのライカカメラ社が、これを放っておくわけありません。今回もさまざまな記念モデルが発売されましたが、そのなかで最もスタンダードな組み合わせの「ライカM Edition100」を使う機会に恵まれましたので報告します。
シグマから新型のフォビオン・クワトロセンサーを搭載した「シグマdp2クワトロ」が2014年6月27日に発売されました。外観デザインもユニークですが、気になる写り具合は、新型のクワトロセンサーは約2,900万画素で、通常のカラーフィルターアレイセンサーの3,900万画素相当の画質を作り出せるというのです。実際、どのような写りを示すのでしょうか、以下に実写結果をレポートしてみました。
ニコンから3635万画素の一眼レフD810が2014年7月17日に発売されました。先行した、3630万高画素機ニコンD800が2012年3月、ニコンD800Eが2012年4月の発売でした。それから約2年の歳月を経て、改良機ニコンD810が発売されたわけですが、どのように改良されたのでしょうか。僕にとっては、この2年間で最大の関心事でありました。
2013年10月に発売された「AF-Sニッコール58mmF1.4G」は「ノクトニッコール58mmF1.2」の再来と伝えられています。ノクトニッコールは1977年に発売されたノクト(Noct、ラテン語の夜)の名前に示されるように夜間や夜景撮影に向いたレンズで、点光源が円形に写るようにと特別に配慮されています。製造が終了した現在でもマニアには人気のレンズです。そこで最新のAF-Sニッコール58mmF1.4Gと、その元になったAiノクトニッコール58mmF1.2Sを比較してみようとなったのです。
ライカがデジタルで「ライカM(Typ240)」になった時にライブビュー撮影が可能となりました。一番の楽しみは距離計に連動しないレンズでも使用できるようになったことです。そこでマウントアダプターを介して、往年の一眼レフカメラの交換レンズを距離計連動の範囲を超えて使うのも楽しいのですが、今回はマウントアダプターを介さずに直接ライカMマウントを取り付け加工した『エルノスター(ERNOSTAR)10cmF2』レンズを手にすることができましたので、その写り具合を報告しましょう。
ここ数年、デジタルカメラの撮像素子の前に装着する「光学ローパスフィルターのなし」を特徴とするカメラが目につくようになりました。そこで、それらを特徴とするカメラとその周辺を見てみました。ここでの対象機種は、ニコンD70、ニコンD700、ライカM9、ニコンD800、ニコンD800E、シグマDP2メリル、ソニーサイバーショットRX1、ライカM(Typ240)、ペンタックスK-3、ソニーα7R、ニコンDfの11機種。さらに一部機種では、交換レンズ、撮影モードを変えての使用となりましたので、掲載図・写真46点もの膨大なレポートになりました。
第十八回のシリーズで「異種全面対決 ペンタックスQからライカMまで」と題して、2013年前半までの各社の気になる機種を画質比較しました。その後2013年の後半に気になる機種として「ペンタックスK-3」、「ソニーα7R」、「ニコンDf」の3機種が登場しましたので使用結果を紹介しましょう。
フルサイズ3,630万の高画素タイプ一眼レフであるニコンD800が発売されたのが2012年3月、さらによりシャープな画像が得られるようにと光学ローパスフィルター効果をキャンセルしたニコンD800Eが発売されたのは同年4月のことでした。ニコンD800は“2012年カメラグランプリ「大賞」”、ニコンD800Eは“カメラグランプリ2013 あなたが選ぶベストカメラ賞”を受賞するなど話題を呼びました。そこに2013年11月にはやはりフルサイズ3,640万画素の「ソニーα7R」が発売されたのです。どうやら同等の撮像素子を使っていることは間違いありませんが、ニコンは一眼レフ、ソニーはミラーレスというわけです。何か違いはあるのでしょうか、それぞれの写り具合が大いに気になります。以下まったくの私見ですが、比較撮影した結果を披露しましょう。
同じ場所をずうーっと撮り続けることを定点観測といいます。その場所の経時変化追い続けることにより、時代の移り変わりがわかったりして、写真的な価値がでてくるのです。僕は、いままで同じ場所からカメラとレンズを変えて、わずかな期間ですが、同じ建物を撮影してきました。デジタルカメラになってから始めたことですが、その同じカットの中からベストのものを選択して、A3ノビにプリントしてカメラの画質を判断してきましたが、それぞれのプリントを並べてみると、カメラの写り具合や特質が見えてくるのです。最小は「ペンタックスQ」から、最新は35mm判フルサイズの「ライカM」と35mm判APS-Cの「EOS KissX7」まで、いがいとおもしろい結果がでました。
2012年9月のドイツ“フォトキナ”で発表されたライカS2のニューモデル「ライカS」のβ機を使う機会がありましたので、簡単にその試用結果を報告しましょう。また、その時に「ライカMモノクローム」とアポ・ズミクロン50mmF2 ASPH.も提供されましたので、モデル撮影にチャレンジしてみました。
日本はまぎれもないカメラ王国だ。かつてカメラ生産は海外の国が主流だった。まず写真発祥の国フランスであり、イギリス、アメリカ、ドイツなどを経て、1962年に生産数・金額とも日本がドイツを抜いてから今日までトップの座を他国に譲っていない。昨今、さまざまな工業製品が他国に首位を譲っていくなかで、日本のモノづくり最後の砦といわれるのはカメラ産業だ。しかし長い歴史のなかでは、他の産業もそうであっようにお手本は海外だった。その原点ともいえるライカといくつかのコピーライカを紹介する。
ライカカメラ社が「ライカMモノクローム」というモノクロ専用ライカを発売しました。撮像素子はM9と同じ5212×3472ピクセルのCCDですが、RGBの色分解フィルターがなく、その分だけ高画質なのを特徴としています。では、どのくらいいいのでしょうか。M9とMモノクロームを比較してみました。
いまミラーレスカメラにマウントアダプターを装着し、ライカレンズをつけて遊ぶのが流行っています。ミラーレス最初のモデルは2008年に発売されたマイクロフォーサーズ規格の「パナソニックDMC-G1」でした。その後、撮像素子の大きなAPS-C判の「ソニーNEX-3/NEX-5」が2010年に、「リコーGXR+A12Mount」が2011年に、「フジフイルムX-Pro1」が2012年に発売されました。ここでは、最新の「ソニーNEX-7」とリコー、フジフイルムのミラーレス機に同じライカマウントレンズをつけた実写結果を紹介しましょう。(2012.07)
同じズマール5cmF2で、発売当時のままのものと、最近レストアされ単層コーティングされたものがある。その写りの違いはいかがなものだろうか、簡単に比較してみました。
ライカの交換レンズでズマリットといえば、1949年に発売された“ズマリット50mmF1.5”が良く知られています。もともとライカ用のレンズでは、ズミルックス、ズミクロン、エルマーなどとレンズの口径によって名称がシリーズ化されていましたが、このズマリットだけは単独レンズの名称でした。ところが最近は、M型用の一部と、S2用の交換レンズにズマリット名を冠されたものが登場してきました。ここでは2007年に発売された、ズマリットM35mmF2.5、M50mmF2.5、M75mmF2.5、M90mmF2.5を使ってみた印象を紹介しましょう。
さる2010年9月21日から開かれたドイツ・フォトキナにて、ライカカメラ社は「ライカM9チタン」を発表しました。ネーミングのとおり、外装がチタンなのです。この12月に日本国内でも発売開始ですが、そのこだわりの部分の概要をお伝えしましょう。
ライカの故郷であるドイツ・ウェッツラーの町には、かつてのエルンスト・ライツ社の旧社屋があり、旧市街にはライカ生みの親であるオスカー・バルナックが100年ほど前に試作機「Ur.ライカ」で撮影した光景が今もそのまま残る歴史ある町です。近くには、エルンスト・ライツ、オスカーバルナック、マックス・ベレークらのお墓もあります。そんなライカの故郷に加え、現在のライカカメラ社のあるゾルムスを訪ねてみました。
前回は「ライカM9で軟調描写を楽しむ」というテーマで、手元にあるヘクトール73mmF1.9の描写特性を紹介しました。ところがもっと身近に「medeiajoy-softfocus」がライカ用に発売されています。ここでは「メディアジョイ・ソフトフォーカスレンズ」でライカM9での軟調描写を試してみました。
ライカカメラ社オーナーのDr.カウフマン氏は、2010年5月30日に来日されたときの講演会で、ライカ用の軟調描写レンズである「タンバール」を復活させて欲しいとの愛好家の要望に対し、デジタルではタンバールの描写は難しいから作らないと言い切りました。さて、それはどういうことを意味するのでしょうか、手元にあるライカ用の軟調描写レンズとライカM9を使って、その実際を探ってみました。
ライカカメラ社オーナーのDr.カウフマン氏が、去る2010年5月30日、日本カメラ財団にて「ライカ -思い出の未来-」と題して講演を行いました。話の内容は、ライカの歴史からこれからのライカの在り方までと、多岐にわたっていましたが、なかなか興味あるものでした。
HEKTOR 2.8cmF6.3、SUMMARON 2.8cmF5.6、SUMMICRON-M 28mmF2 ASPH.と3本のライカ純正レンズがあります。ヘクトールは1935年、ズマロンは1955年、ズミクロンは2000年の登場で、2006年にはデジタル対応で6bitコード付きとなった最新版です。それぞれをM9ボディとの相性ということで、描写特性を探ってみました。
「ライカM9」の登場で、すっかり影が薄くなってしまった「ライカM8」と「ライカM8.2」。今さらというわけではありませんが、手元にM8がある方も多いのではないでしょうか。そんな方々に向けて、M8ならではの効用を改めて考えてみました。
現在発売されている写真撮影用レンズで最も明るいのはM型ライカ用の「ノクチルックスM50mmF0.95ASPH.」です。2008年のフォトキナで発表され、翌春から発売されましたが、供給が潤沢でなくなかなか手にすることができなかったのですが、やっと使うことができました。
ライカから、大型撮像素子であるAPS-C判のCMOSを搭載した、コンパクトカメラが発売されました。いままでになく“最もライカらしいコンパクトカメラ”で、「いつも首から提げて持ち歩きたい」、それが第一印象です。
ライカとしては初の中判カメラが登場しました。その使い勝手、実力のほどを発売前に緊急レポート。
古い交換レンズが使えるのがレンジファインダーライカの魅力です。最新フルサイズM9と手持ち交換レンズの相性を探って見ました。