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【作例1】ズマリットM35mmF2.5、
絞り優先AE(F2.5開放・1/500秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(埼玉・川越にて)
【作例2】ズマリットM35mmF2.5、
絞り優先AE(F5.6・1/353秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(山形・高畠にて)















●Summarit-M 35mmF2.5
 いずれのズマリットとも共通したことであるが、従来からあるズミクロンシリーズのF2とズマリットシリーズのF2.5の明るさの違いは、絞り1段にも満たないわけだから、なかなか微妙だ。レンズ構成から見ると前面に凹面を配した4群6枚構成で、レンジファインダー用の交換レンズとして、広角レンズでもきわめて初期のものは対称型を採用していたのもあるが、ある時期からはレトロフォーカス的なデザインを採用したものが多く、このレンズもそのようなことからだろう。
【作例1】絞りF2開放での描写だが、手前右の花にピントを合わせてある。背景のボケはくせもなく自然だ。あえていうならば、木の葉の間からこぼれるボケがビネッティングの影響からか、わずかに三日月形をしているのがわかる。このカットからではないが、さまざまな場面を撮ってみた印象では、35mmという焦点距離の割にはディストーションはきわめて微少ではないだろうかと思う。
【作例2】絞りをF2.5と絞っているので機関車の錆はかりっと描出してはいるが、全体的には柔らかな描写だ。中央背後のアウトフォーカス部のぼけた部分は松の木だが、何かモアッとしている感じがするが、これは針のような松の葉が細かすぎるためにこのように描写されているが、広葉樹が写っている左に目を転じてもらえば、被写体の特異性によるものであることはおわかりいただけるだろう。また、画面右上の青空をご覧いただければおわかりいただけると思うが、周辺光量の落ち込みはまったく感じさせない。

【作例3】ズマリットM50mmF2.5、
絞り優先AE(F2.5開放・1/500秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(埼玉・川越にて)
【作例4】ズマリットM50mmF2.5、
絞り優先AE(F5.6・1/250秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(埼玉・川越にて)















●Summarit-M 50mmF2.5
 4群6枚のレンズ構成は、過去のズマロン35mmF3.5や後期型のズミクロンM50mmF2に近い、3枚構成を前後に対称型に配置した6枚構成をとっている。それだけにオーソドックスな描写特性を示すものだと考えられる。
【作例3】50mmレンズをF2開放で、最短撮影距離0.8mで撮影してみた。風に揺れる風鈴の短冊にピントを合わせているが、背景のボケ描写からは、特にくせがあるとは感じられない。撮影条件にもよるだろうが、左端に写っているアウトフォーカスした女性の前後はわずかに口径食の影響を受けた描写特性を示しているが、鑑賞時の拡大率にもよるわけで、不自然なボケ描写ではない。
【作例4】中距離からの撮影である。絞りはF5.6と絞ってあることから、画面全体の描写の均質性はかなり高い。特にディストーションも目につくこともなく、さすが対称型の標準レンズだと思う。

【作例5】ズマリットM75mmF2.5、
絞り優先AE(F2.5開放・1/707秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(埼玉・川越にて)
【作例6】ズマリット75mmF2.5、
絞り優先AE(F2.5開放・1/500秒)、
ISO160、AWB、ライカM9
(埼玉・川越にて))















●Summarit-M 75mmF2.5
 レンズ構成は4群6枚で、絞り羽根は11枚というからかなりの円形絞りだ。最短撮影距離は0.9mであって、同じ75mmのアポ・ズミクロン75mmF2 ASPH.が0.7mであるのに対し違いを見せているが、このあたりが普及価格品としての仕様の違いなのだろうか。現行のMシステム用交換レンズでは、このズマリットM75mmF2.5とアポ・ズミクロン75mmF2しかラインナップされていないが、かつてのように75mmF1.4のズミルックスは登場するのだろうか。
【作例5】商家の屋瓦根を近接で絞り開放F2.5で狙ってみたが、背後のボケはクセもなく、好感のもてる描写だ。75mmというと本来はポートレート用のレンズなのかも知れないが、ボケの特性を読みとるにはこんな感じのショットもいいかも知れない。
【作例6】絞りF2.5開放、中距離でお寺の本堂を撮影してみた。レンジファインダーではボケ具合などはわからないが、被写体、撮影距離などからして、前ボケのわかるカットとなった。作例5の後ボケと同様に、前ボケも特にクセを感じるわけでなくきわめて中庸な描写を示している。もちろんボケ味だけでなく、ピントのあった部分の描写は柔らかさのなかにもシャープさを感じさせるものだ。



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