ここで使ったライカ100周年記念モデル「ライカM Edition100」の内訳は、外装をステンレススチール製としたデジタルの「ライカMモノクローム」とフィルムカメラの「ライカM-A」の2台、やはり鏡胴をステンレススチール製としたズミルックスM28mmF1.4ASPH.、ズミルックスM35mmF1.4ASPH.、ズミルックスM50mmF1.4ASPH.の3本のレンズ、トライXフィルム36枚撮り1本、黒色アルマイト加工された専用リモワ製ケースからなる全世界101台の限定セットです。セット価格は、税込で6,264,000円と恐ろしく高価です。そんな高価なものを、使ってみませんかと声をかけてくれたのが、北海道札幌「IMAIコレクション」オーナーの今井貞男さんです。毎度のことですが、今井さんは田中長徳さんもぜひどうぞということで、2人の日程を合わせて11月の末に行ってきました。実は「ライカM Edition100」だけでなく、この時期までに新たに加わったコレクションも見て欲しいというのも本音なわけです。
細かいものは別にすると同じライカでも「ライカD-LUX6 Edition 100」もありましたが、さらにもうひとつニコンマニアならよだれの出るような「レフレックスニッコール1000mmF6.3」が加わったのです。何でもこの反射望遠レンズは、1960(昭和35)年に発売されたもので、ニコン研究第一人者の根本泰人さんによると、製造本数18本とかいう超珍品で、しかもここにコレクションされたのは、シリアルナンバーは2番というものなのです。さらに、これまた珍しい専用の木製三脚付というのです。少し脇道にそれた感じはありますが、実は今井さんは「ライカM Edition100」をエサにして、長徳さんと僕を呼んだようでしたが、実際、長徳さんは「レフレックスニッコール1000mmF6.3」にクギ付けとなり、僕は「ライカM Edition100」を使ってひたすらテスト撮影となりました。
【写真1】ライカM Edition100のリモア製ケース入っていた箱(画像をクリックすると大きくして見ることができます)
●ライカM Edition100の内訳
まず簡単に、外箱【写真1】からライカM Edition100を紹介しましょう。外箱はいつものように銀色の箱になっていて、詳細は黒の部分にプリントされています。この銀色の箱の外側にもうひとつ箱でカバーされていましたが、写真左後ろに見える茶色い箱がそれですが、長徳さんはそこに赤く書かれている文字を見て大笑いしました。何でもドイツ語で“投げるな”と書いてあるそうで、こんなものを投げることもあるのだろうか?というのです。早速、リモワ製ケースを開けてみました。内部は2段に分かれていて、上段には取扱説明書やアクセサリーが、下段にカメラと交換レンズが入っています【写真2】。ここで、注目されるのは取扱い用の白手袋【写真3】がカメラの上に置いてあるのです。この手袋は、イマイコレクションの備品ではなく、ライカM Edition100のアクセサリーとして同梱されていたのです。しかも普通の白手袋とは異なり、布地も厚手でLeicaと刺繍され、少し長めで、高級感があります。写真の上部にあるのは、保証書といったものでしょうか、3本のレンズのシリアルナンバーとライカカメラ社CEOのAlfred Schopfのサインが入っています。このサインを見て、長徳さんは「小学生みたいなサインだ」と笑う始末。いわれてみれば、確かにそういう感じもするのです。そして、LEICA CAMERA AG. 2014. 五月と記されていますが、ライカカメラ社が本社工場をゾルムスから生まれ故郷のウエッツラーに戻して落成記念を開いたのが5月なわけです。
【写真2】リモア製ケースの下段を開けたところ(画像をクリックすると大きくして見ることができます)
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【写真3】Leicaと刺繍が入った手袋(画像をクリックすると大きくして見ることができます)
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【写真4】画像をクリックすると大きくなり、カメラとレンズのシリアルナンバーを確認することができます。
ところでこのライカM Edition100セットのカメラボディのシリアルナンバー【写真4】は、デジタルのM MonochromとフィルムのM-Aとは“4311960”と同じなのです。またレンズは、M28mmF1.4ASPH.が“4311960”、M35mmF1.4ASPH.が“4321960”、M50mmF1.4ASPH.が“4331960”と共通化されているのです。これから先、時代を経てもそれぞれがバラバラに存在するのは難しいようです。