【作例3:いつもの場所で、八国山遠望 その1】焦点距離16mm(24mm)、プログラムAE、F6.3・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB、三脚使用(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例3:いつもの場所で、八国山遠望 その1
すっかりこのシーンもお決まりの撮影場所となりました。ここで見るのは、無限遠にある森の木々の葉から読み取る解像性能です。この撮影結果を画素等倍にしてみると、画面中心を含め、全体の3/5ぐらいの描写は文句なくシャープで解像感ある画像として仕上がっていまが、やはり周辺画像にはわずかに流れを見つけることができます。焦点距離をレンズに刻まれている18-20-24-28-35mmと変化させてみると、28mm(42mm)あたりで流れは消えます。いずれにしても画素等倍という非現実的拡大率での画質評価ですので、この辺の見極めは、ユーザーがどのような大きさを必要とするかで変わってくるでしょう。
≪撮影データ≫焦点距離16mm(24mm)、プログラムAE、F6.3・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB、三脚使用
【作例4:ポートレイト(1)女性】焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F1.8・1/320秒、ISO AUTO 100、PORTモード、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例4:ポートレイト(1) 女性
女性ポートレイトを、シャープに写るフォビオンセンサーのカメラで撮ることはなかなか難しいのです。そこでいろいろ予備知識を得た結果、まずは発色を“ポートレイト(PORT)モード”に設定しましました。このモードでは、肌が若干赤みを増すのと軟調に描写されるというのです。さらに軽快にシャッターが切れるようにと、コンティニュアスAFモードにして、連写モードで撮影しました。
レンズの絞り値はあえて開放のF1.8ですが、結果はご覧のとおりです。画素等倍に拡大してモデルさんのまつ毛、目にかかった髪の毛をご覧になるとおわかりなるかと思いますが、その解像性能は素晴らしいです。川越の菓子屋横丁での撮影ですが、撮影環境としてはあまりよくなく、モデルさんの顔に西日が差しこんでいて、顔の上でまだらな陰影を作り出していましたが、直接肌に射し込んだ部分でも飛ぶことはなく描写されています。この描写は、フォビオンの特性であることは間違いないのですが、絞り開放F1.8でも十分な解像性能をもったレンズによる部分も大きいのです。撮影は絞り開放でしたから、F1.8という大口径ズームのもつ絞り開放のボケ具合も見てほしい部分です。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F1.8・1/320秒、ISO AUTO 100、PORTモード、AWB
【作例5:ポートレイト(2)男性】焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F1.8・1/80秒、ISO AUTO 100、+0.7EV、STDモード、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例5:ポートレイト(2) 男性
こちらは写真家の水谷充さんです。水谷さんの「Nude Works」という個展にお伺いした時に男性ポートレイトのつもりで撮影させてもらいました。女性の場合と異なり、男性の場合にはしっかりと微細に写ることも許されるのだと思うのです。この写真を見てどなたかがかっこよく撮れているといいましたが、水谷さんにわけを話したら、じゃあといってご自身でイスに座りポーズをとってくれたのです。撮り上手の方は、撮られ上手でもあるのですね。
撮影は室内ですのでストロボを使うのもよいでしょうが、感度100ではありますが、ズームレンズとしては異端のF1.8と大口径ですのでブレなく、人物の細部のシャープな描写が得られました。その反面アウトフォーカス部のボケがどのように描写されたか、背景の額装されたヌード写真を見てほしいのです。ご覧のようにかなり大きくボケていますが、元の形態を崩すことのない自然でとろけるようなボケ方です。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F1.8・1/80秒、ISO AUTO 100、+0.7EV、STDモード、AWB
【作例6:日章旗】焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F5・1/500秒、ISO AUTO 100、−0.3EV補正、AWB、(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例6:日章旗
特に日章旗に意味があるのではなく、いままで少ないながらもフォビオンセンサーのカメラで撮影してきて妙に質感描写がいいのはこのような旗なのです。旧豊多摩監獄正門のある法務局の屋上にあったので、ほどほどの青空でしたが、これだとばかりにシャッターを切りました。それで何がということになりますが、旗の布地の部分、金属のポールの部分、揚げ下げするためのひもの部分を、まずは画素等倍にしてみてください。すべての質感描写が素晴らしいのはおわかりいただけると思います。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F5・1/500秒、ISO AUTO 100、−0.3EV補正、AWB
【作例7:パラグアイ共和国の旗】焦点距離31mm(46.5mm)、プログラムAE、F5・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例7:パラグアイ共和国の旗
千代田区の半蔵門にあるパラグアイ共和国大使館正面玄関わきの旗です。作例6の日章旗と同じで、旗、ひも、ポール、さらに背後のレンガなど、等倍に拡大して見ると、その質感の力強さがおわかりいただけるでしょう。つまり前掲の日章旗の例だけでなく、フォビオンセンサーはこういう素材というか場面の描写が得意なのです。画質としては、長焦点側にズーミングしているので、「八国山遠望」のようにワイド単ではないために周辺までしっかりと解像しています。
≪撮影データ≫焦点距離31mm(46.5mm)、プログラムAE、F5・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB
【作例8:旧豊多摩監獄正門】≪撮影データ≫焦点距離18mm(27mm)、プログラムAE、F6.3・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB、(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例8:旧豊多摩監獄正門
東京中野区にある旧豊多摩監獄(中野刑務所)の正面玄関です。建築家・後藤慶二の設計で1915(大正4)年に竣工され、当時は赤レンガ造りのモダンな建物として知られました。現在、正門だけが法務局の敷地内に残されています。ここで見てもらいたいのは、赤レンガとその目地に使われたコンクリート、さらにかつては紋章がはめ込まれていたのだろうと思われる中央のコンクリートなどそれぞれの質感です。PCのモニター画面に合わせた大きさでなく、画素等倍にしてみるとその高画質がよくわかります。
≪撮影データ≫焦点距離18mm(27mm)、プログラムAE、F6.3・1/400秒、ISO AUTO 100、AWB
【作例9:石膏像のある家】焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F4.5・1/320秒、ISO AUTO 100、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例9:石膏像のある家
前掲の旧豊玉監獄を後にして、JR中野駅に向かっている途中で、石膏像がある家を見つけました。本来ならアトリエや展示会場に置かれるものだと思うのですが、道路に面した建物前の片隅に存在するのが面白いのでシャッターを切りました。ピントはズバリ、石膏像に合わせてあります。画像としては特に変わったことはなく、ふつうに描写されていますが、日陰での撮影ということも手伝ってか、画素等倍に拡大してみるとシャドー部にはざらついた感じがありますが、実用上はまったく問題ないでしょう。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F4.5・1/320秒、ISO AUTO 100、AWB
【作例10:花とミツバチ】焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F4・1/1600秒、ISO AUTO 100、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例10:花とミツバチ
白いムクゲの花が咲いていたので、のぞいてみると1匹のミツバチが花粉にまみれて蜜を採取中だったので、とっさにシャッターを切った1枚です。この花を画素等倍に拡大して見てください。中心にいるミツバチの羽根、体毛、花粉など、画素等倍でここまで解像するのは、まさにフォビオンセンサーならではの描写です。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F4・1/1600秒、ISO AUTO 100、AWB
【作例11:ひまわり】焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F2.8・1/4000秒、AUTO ISO100、VIVIDモード、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例11:ひまわり
季節柄、もう少しフォビオンの緻密な解像感を見せるのには、どのような被写体を選べばよいのか悩むところでした。そこで考えたのが、ひまわりの花ならどうだろうとなりました。さっそくひまわり畑に出向いて撮影しましたが、青空に黄色のひまわりとは大変素晴らしく、コントラストのある色調に仕上げたく、” ビビッド(VIVID)”という鮮やかなモードに設定しました。18〜35mmF1.8DCの最短撮影距離は全焦点域28cmなので、長焦点側35mmではマクロ的な撮影ができ、撮影倍率も高いので分解能の高い撮影ができます。その再現特性は、ここで繰り返して高解像を述べるまでもなく、まずは画面上で画素等倍まで拡大して、ひまわりの花の中央部分から上部に向けて子細に観察すると、その力強さがわかると思います。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、絞り優先AE、F2.8・1/4000秒、AUTO ISO100、VIVIDモード、AWB
【作例12:ハスの花】焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F4.5・1/320秒、ISO AUTO 100、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例12:ハスの花
公園のハス池に咲いていた1輪を縦位置でねらいました。ピントはハスの花のしべに合わせてありますが、合焦部は解像感あるシャープ感な描写ですが、画面全体としてはレンズのボケ味も手伝ってか、クセなく柔らかく描写されました。色調はスタンダードにセットしましたが、葉の緑も含め全体に色鮮やかすぎるということもなく、特に雌しべの額の表面は落ち着いた色調のなかにも繊細に再現されています。葉の繊毛、葉に乗った細かな水玉など、画素等倍にして見るとその解像性能がわかります。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、F4.5・1/320秒、ISO AUTO 100、AWB
【作例13:黄色い花と電車】焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、連写モード、F5.6・1/500秒、ISO AUTO 100、AWB(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見られます)
■作例13:黄色い花と電車
近所の公園にカメラを持って行く途中に黄色のカンナの花が線路沿いに満開でしたので、黄色の西武線がくるのを待って花と電車を合わせてシャッターを切りました。このような場合どのようなモードで撮影すればよいかと考えた結果、ピントはカンナ花の中央部分に合わせ、シャッターを連写モードにセットして、電車が深度内に入るのを見てシャッターを押し続けたなかの1枚です。つまり事実上、置きピン状態での連写ということになります。もしこの場をシングルの1枚撮りで追いかけていたら、たぶんタイミングはもっとずれていたでしょう。なお連写はバッファーメモリーの関係からか最大12コマまでですが、ファインダー内には可能枚数が9コマまで表示されます。
≪撮影データ≫焦点距離35mm(52.5mm)、プログラムAE、連写モード、F5.6・1/500秒、ISO AUTO 100、AWB