●M8を使い切る
こうなると、いまあるM8は使い切るしかない。それにはM8にマッチしたお気に入りのレンズを探すのが最も手っ取り早いことになる。
|
【シネ-クセノン50mmF2の描写】
ライカM9、絞りF2.8・1/1000秒、ISOオート、AWB。フルサイズのライカM9だと四隅が切られてしまうが、APS-HのライカM8なら切られることはない。描写の良さは納得いただけるだろう
〔画像をクリックすると拡大して見ることができます〕 |
◇スナップカメラに特化させる
M型ライカは、スナップに、それも焦点距離35mmぐらいがいいと思っている人は、24mmか28mmのレンズをまず専用に用意すればいい。APS-H撮像板なので1.33倍をかけると24mmなら約32mm相当に、28mmなら約37mm相当の画角になる。細かいことをいってもしょうがない。デジタルだから撮影後に細かいフレーミングはその場で確認できるのだから大きな問題はないはずだ。しかも距離計は連動するのだから、マウントアダプターを使用した昨今の2倍掛けミラーレス一眼とは大違いで、すばやく撮影はできる。もともと焦点深度は焦点距離に依存するわけで、画角は1.33×掛けの焦点距離相当になっても焦点深度は変わらないのだから、スナップには適切なライカシステムということができる。
◇35mm映画用レンズを取り付ける
僕の知り合いには、35mm映画用のレンズを距離計連動のライカスクリューマウントに加工して、撮影を楽しんでいる人が何人かいる。35mm映画の画面サイズは18×24mmだが、レンズを吟味すれば、24×36mmのフルサイズをカバーする物もあれば、フルサイズにはわずかに足りないものもあるというわけでさまざまだ。もともと映画用レンズは高価であり、画質も素晴らしいのが多いので、うまく探し当てるのが楽しみとなっている。
加工は、工房(
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/)を作り自らが旋盤を操ってというのだから、そのこだわり方は並ではない。もちろん、そのような加工を引き受けてくれる業者もあるが、あくまでも自分のものは自分で作るというわけで、商売ではないのでほかの人のレンズ加工は引き受けてくれない。ネット上に組織されていてメンバーは120人を超え、懇親会や撮影会を開いたり、映画用レンズを使ったスチル写真展を開催したりと活動はなかなか活発だ。