■Nikon Df (写真3、作例3)
写真3 Nikon Df(クリックすると大きな画像で見られます)
作例3 Aiニッコール35mmF2。絞り優先AE(F5.6・1/500秒)、ISO100(クリックすると、画素等倍まで拡大して見られます)
11月28日に発売された「ニコンDf」は、ライカ判フルサイズの一眼レフカメラです。Dfは、ニコンD4と同じ有効1,625万画素のCMOSセンサーを使った小型・軽量のボディということですが、同じフルサイズで、やはり小型・軽量を目指した、ソニーα7/α7Rとはその目指すところは違うようです。まず、ソニーα7/α7Rが2,430万画素と3,640万画素と高画素タイプであることです。これはどちらがいいかということになりますが、画素数が多ければ大伸ばしに耐えられ、画素数が少なければ1つの画素単位が大きいので、ノイズも少なく高感度なデータが得られダイナミックレンジの広い画像が得られるというわけです。この画素数の問題は使う目的というか、使う人によってそれぞれで、一概に多ければいいと決めつけられるわけではありません。すでにニコンは、有効画素数3,630万画素のD800とD800Eを発売しているので、D4クラスの機種選択の幅が広がったということになるでしょう。もともとソニーは、マウントアダプターを介して各社の各種オールドレンズを取り付けて楽しむユーザーをも重要視していると考えるのです。一方、ニコンは既存の35mm判ニコン一眼レフユーザーをターゲットにしたところが、まずは大きな違いではないでしょうか。
さて、実写結果を報告しましょう。このDfでは、古いニッコールレンズのうち、Ai対応、非Ai対応のMFレンズにも対応させることができるということですので、ここではあえて35mmF2(1983年ごろ購入)のAi対応のMFレンズを使って、いつもの英国大使館正面玄関を撮影してみました。MFレンズを使うにあたり、セットアップメニュー“レンズ情報手動設定”ができます。これはボディ側で焦点距離、開放F値を9種設定することができ、設定することによりexif情報として焦点距離、絞り値を記録でき、測光と露出の精度を高くできるというのです。ただし周辺光量や歪曲などのレンズ特性の補正を行うためのデータ入力とは違うようです。
【いつもの英国大使館:Aiニッコール35mmF2】 絞り優先AE(F5.6・1/500秒)、ISO100、AWB。この時期の撮影は、天候にも恵まれ青空のもと素晴らしい描写となりました。撮影はなるべく精度を高くするために三脚を立てて、ライブビューでフォーカスエリアを設定し、最大限拡大してピントを合わせました。最新の35mmレンズを使えば、さらに良い結果がでたかもしれませんが、このレンズ個体そのものは、ヘリコイドの回転感覚、描写での解像感もフィルムカメラ時代には多くの人から高い評価を得ていました。久しぶりにストックボックスから引き出しての撮影でしたが、画質的には十分に満足いくものです。建物中央上部紋章を画素等倍にして見ると、高画素3,600万画素相当のソニーα7Rのその部分とは、1,625万画素のDfとは異なり、解像、寸法とも違うのは当然ですが、写真的にはA2相当へ引伸ばしても問題ないのです。撮影時の天候にも左右されるでしょうが、発色に鮮やかさがあり、描写に立体感があるようにも見えます。
■終わりに
ペンタックス、ソニー、ニコンと使って2013年は終了しました。それぞれ各社がもちえる技術をだして、新製品としたところがいままでにない、動きだと思います。これからも同じペースで各社が進んでくれれば、まだまだおもしろいカメラが登場してくる可能性を十分に秘めているのです。ところで、ここで取り上げたカメラのほとんどは一般店にて購入したものです。もちろん1個人ですべてをカバーできるものではなく、多くは理解ある知人たちが購入したものも充てています。それでもどうしてもカバーしきれないものは、一部メーカーからお借りするのですが、その割合は1割ぐらいでしょうか? そのあたりをお含みおき頂き、ご覧いただければ幸いです。 (2013.12)