●さすが高解像の写り
撮った結果はどうだろう。当日のライティングは、大型のソフトボックス2機だったが、光質が蛍光灯かLEDのようで、なんとなく紫外域が強い感じがしたことと、バック紙が濃いオレンジであったためにカラーフェリアを起こすのではないかという危惧を抱いた。結果としてはホワイトバランス的には、やはり満足いく発色を示さなかった。実際は、中判デジタルという性格上、スタジオ内で大型ストロボ光を利用してというのが一般的なので、発色はもっともっと良好になるだろう。もちろんハンドリングの良さを活用したフィールドでの撮影なら問題ないと思う。
使用レンズは標準のSummarit 70mmF2.5、目にピントを合わせたが、撮影データをご覧いただければおわかりのように、かなり高解像な画質を示している。僕の撮影というか、初めてのカメラを試用するときは、すべてオートで撮るのをスタイルとしている。こうすれば、カメラの性格がわかるというものだ。その点においてAFもスピードだけでなく、精度も必要十分だった。
S2の45×30mmCCDは、35mmフルサイズより56%広いことになり、画素ピッチも6μmというから十分な大きさだ。コダックのCCD撮像素子は、M8、M9がそうであったように、光学ローパスフィルターを使わないシステムのため、シャープな画像が得られることでは定評があるが、S2でもその効果は十分に発揮されていることが理解できる。着物の織り目にモアレが、なんていうこともまったくない。
3,750万画素は、1:1.5縦横比の撮像で7488×4976pixとなり、実データで106.6Mのデータ量となる。これで、写真の全紙に相当するA2判に出力すると320dpi強、2倍全紙相当のA1判だと約230dpi、A0判でも160dpi近い解像度が得られる。写真、印刷とも高画素ならではで、実用上十分すぎるデータ量であることがわかる。
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【ライカS2による作例】
Summarit 70mmF2.5、AF、プログラムAE(1/125秒手持ち撮影)、AWB、JPEG撮影。このカットでは判断しにくいが、ズマリット70mmはアウトフォーカス部のボケも素直だ。2009.12.06
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