【作例6】八国山遠望(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例6:八国山遠望
いつも定点観測のようにして、遠景の描写特性を樹木の葉などで見る所です。通常に見る範囲では必要十分な解像性能を持っています。撮影時焦点距離は最広角の16mmですが、画素等倍までに拡大して見ると画面右側にわずかな甘さを感じるのですが、画素等倍そのものは、通常のプリント時にはありえない拡大率ですので無視できる範囲です。撮影は、すべてお任せのプログラムAEですが、もう少し絞り込まれてもよい場面ではないかと思うのです。画面上下中央の少し上を見ると電車の架線が見えるのですが、通常この架線は色収差の関係で、左右に色が原色でまばらに繰り返して見えるのですが、そのようなことはここでは見当たりません。光学系もしくは、専用レンズですのでデータ処理で色収差の発生が目立たないように処理されているのではないだろうかと考えました。
≪撮影データ≫焦点距離16mm(24mm)、プログラムAE、F5・1/400秒、ISO・AUTO 100、+0.3EV、AWB。
【作例7】八国山のふもとで(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例7:八国山のふもとで
定点撮影位置から一番奥に見えるふもとの所へ行ったら、コスプレ写真を撮影している女性3人組を見つけました。最初は遠巻きに見ていて、3人の前に回り込んで撮影させてもらおうと考えましたが、その手前の男の子がまるで縛られたようにじっと動かずに見ているのです。こちらのほうがスナップ的に面白い写真になるだろうと、男の子の背後から狙いました。それにしても早朝の7時、まだ人の出は少ないと思ったのでしょうが、想像以上に多くの人がいたので、目立たないようにと木陰での撮影となったようです。シャドー部に露出の重点が置かれて、手前の子供のTシャツや草は飛ぶ寸前ですが、ぎりぎりセーフといった感じです。彼女たちは、三脚に一眼レフカメラを載せ、リモコンでシャッターを切っていましたが、昨今のコスプレ写真ブームを垣間見た気がしました。
≪撮影データ≫焦点距離22mm(33mm)、プログラムAE、F3.5・1/250秒、ISO・AUTO 100、+0.3EV、AWB。
【作例8】Oさんの個展で(その1)(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例8:Oさんの個展で(その1)
都心から少し離れた住宅街のギャラリーバーで、ニューヨークでの作品で個展を開いたOさんのガッツポーズ。もともと照明は壁面の写真に適切になるようにセットされているので、そのままシャッターを切ると手前のOさんは、露出アンダーで暗い顔になってしまうので、+1.3EVの補正をかけました。AWBのままでの撮影で、画面全体であずき色になっていますが、会場の照明の影響で致し方ないところでしょう。限られたスペースで、顔と複数の作品を入れ込むために最広角の16mmでの撮影となりましたが、画面端の額縁のフレームに歪曲を感じますがあまり気になるほどではありません。むしろ画面中央にあるOさんの顔の解像、質感描写は素晴らしいです。
≪撮影データ≫焦点距離16mm(24mm)、プログラムAE、F2・1/50秒、ISO・AUTO 200、+1.3EV、AWB。
【作例9】Oさんの個展で(その2)(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例9:Oさんの個展で(その2)
Oさんの個展には、古典レンズを愛好する写真仲間がたくさん集いました。ギャラリースペースで作品を堪能した後は、持ち寄った作品を見ながらのお話会です。このギャラリーバーは、複数の写真愛好家の人たちが出資して運営しているというのですが、なかなか良い雰囲気で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。この場面の描写としては、ピントを合わせた手前のO2さんはぴったりで、ズームレンズということもありますが、背景のボケはすぐ隣に座ったYさん、さらに背後の女性、グラスなど、クセもなく柔らかく描写されていて、ISO4000に自動感度アップされましたが、きわめて自然に見えます。
≪撮影データ≫焦点距離38mm(58mm)、プログラムAE、F2.8・1/60秒、ISO・AUTO 4000、+1.3EV、AWB。
【作例10】室内での人物スナップ(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例10:室内での人物スナップ
前の作例とはまったく別の場所で、別のグループ(業界写真クラブ)での懇親会での席で、カメラを見たいという人が僕を撮ったので、誰がシャッターを押したかわかりませんが、使うことにしました。いい感じで撮れていますが、画素等倍まで拡大するとわずかにブレを感じます。これは僕自身が動いているからで、いわゆる被写体ブレです。ただこのような写真を大きくすることはまずないでしょうから、必要十分以上な写りといえるでしょう。このカットでは、背景の僕よりも左側にいるYさんのボケ具合を見てください。ISO4000と自動感度アップしていますが、後ボケと同様、前ボケもクセがなく素直な描写です。
≪撮影データ≫焦点距離38mm(58mm)、プログラムAE、F2.8・1/60秒、ISO・AUTO 4000、+0.6EV、AWB。
【作例11】室内での集合写真(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例11:室内での集合写真
クラシックカメラを愛好する人たちの集合写真です。いつもは違うカメラで撮影していますが、今回はなるべくさまざまなシーンでの撮影を心がけていましたから、NX1で撮影しました。三脚に据えて、内蔵ストロボをアップして、セルフタイマー撮影です。ストロボを発光させたせいか、文句なくきれいに写っています。35mm判30mm相当の画角ですが、ストロボの配光もムラなく全体をカバーしていますし、発色もまったく癖がありません。
≪撮影データ≫焦点距離20mm(30mm)、プログラムAE、F3.2・1/160秒、ISO・AUTO 400、内蔵ストロボ発光、AWB。
【作例12-a】高感度適性を調べると、ISO 500(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例12-a:高感度適性を調べると(ISO 500)
モデルさんと花。PHOTONEXT 2016のソニーブースで撮影させてもらいました。このカットではプログラムAEのまま、背景色との関係で+1EVの露出補正を加えての撮影ですが、撮影場所が本来ストロボを使っての撮影用の設定でしたので、自動感度セットのためにISO 500相当に自動的にアップされました。ピントを本当は細かくモデルさんの目に合わせたいところですが、デモの間の時間を借りて撮影OKということでしたので、素早くピント合わせを行うために「顔認識AF」モードにしました。結果はご覧のとおりですが、特にパリパリと硬調ではなく、ポートレイトに向いた柔らかい調子です。これを、マニュアル感度セットでISO 100にして、外部ストロボを発光させて、絞り込むとまた違った描写になるでしょう。ここではISO 500のシャープネスと、肌と花の発色具合を見てください。
≪撮影データ≫焦点距離50mm(77mm)、プログラムAE、F2.8・1/500秒、ISO・AUTO 500、+1EV、AWB。
【作例12-b】高感度適性を調べると、ISO 51200(画像をクリックすると画素等倍まで拡大して見ることができます)
●作例12-b:高感度適性を調べると(ISO 51200)
このカメラのCMOS撮像素子はサムソン製APS-Cサイズの裏面照射型です。発表は2014年の9月のフォトキナでしたが、従来小型センサーのデジタルカメラに向くといわれていたものを一気にAPS-C判まで拡張したのですが、マイクロプリズムから撮像素子までの距離が短いことから高感度適性が高く、NX1では当時最高の感度ISO 51200を達成していました。そこで、このISO 51200はどんな描写を示すのだろうかということで、マニュアルでISO感度を51200に設定して作例12-aと同じ環境下で、撮影してみました。結果はここに示す通りですが、使えるか使えないかの判断は、撮影目的、拡大寸法に大きく依存しますが、あくまでも使用者の判断によるでしょう。僕個人の見方としては、画素ピッチが3.6μmと小さいのに、A4判ぐらいで使用するならノイズの発生が目立ち彩度もかなり落ちますが、ある程度使えるのではないかと思うほどの良好な高感度適性です。
≪撮影データ≫焦点距離50mm(77mm)、プログラムAE、F8・1/1250秒、ISO 51200、+1EV、AWB。