ここでは、撮影条件や仕上がった映像に大きな影響を与えフィルムの化学的性質、についておはなしします。 主にプロの使用する35mmフィルムについては様々な感度や感色性の物がありますが、ここではより一般的なS-8フィルムについておはなしします。
S-8フィルムとしてはコダックのスーパー8タイプのものと富士フィルムのシングル8タイプのものがあります。これらはフィルムマガジンの形状が異なるため、同じカメラを使用できませんが、フィルムのサイズやパーフォレーションは同じ物ですので、映写機は共通しています。
さて、現在日本で市販されているフィルムには感度で分けると以下のような種類があります。
スーパー8
コダクローム40
このフィルムの感色性はタングステンタイプといって、黄色みのかかった白熱電球の下で自然な発色をするようになっています。タングステンというのは白熱電球のフィラメントに使われている物質です。逆にいうと、このフィルムそのままでは、太陽光の元で撮影すると映像が青っぽくなってしまいまうということです。なぜそのようなことになるかというと、人間は太陽光のもとや電球の下など、場所によって光の色が変化するとそれにあわせて感じ方を変化させてどちらの場合にもほぼ白い光のように感じていますが、フィルムは化学反応によって光を感じるわけですから場所によって感じ方が変ったりすることは無く、電球の下で映した映像は人間が感じる以上に黄色っぽくなってしまいます。その不自然さを取り除くために、タングステンタイプのフィルムは、黄茶色の感じ方を弱くしてあって、映写したときの黄茶色を抑えて自然な感じに見えるようにしてあるというわけです。そのため、太陽光の下でこのフィルムを使うと黄茶色が不必要に抑えられてしまってその補色である水色が相対的に強調されてしまうのです。
では、このフィルムは太陽光の下では使えないのかというとそうでもありません。普通、スーパー8用のカメラには補正フィルターというのが内蔵されていて、太陽光の下で撮影するモードにすると、この補正フィルターがレンズの間に入って黄茶色を加えてくれるのです。したがって、コダクローム40は照明の下でも太陽光の下でも使用できるフィルムなのです。しかし、欠点もあって、フィルターを通すと通過する光の量が減ってしまいますので、日中このフィルムを使用したときの感度は結果的にASA25ぐらいになってしまいいます。タングステン光の下ではASA40のフィルムとして使用できます。
カラー乳剤の形式・・・外型(このフィルム特有のもので自然な感じに色が出ます。)
以上をまとめると
感色性・・・タングステンタイプ
ASA・・・40(タングステン電球の下)/25(日中)
カラー乳剤の形式・・・外型
シングル8
シングル8フィルムはフィルターをかけてタングステン用をデイライト用として使うことはなく、始めからタングステン用とデイライト用が分かれています。
フジクロームR25
感色性・・・デイライトタイプ
ASA・・・25
カラー乳剤の形式・・・内型
フジクロームRT200
感色性・・・タングステンタイプ
ASA・・・200
カラー乳剤の形式・・・内型
8mmフィルムについては「8mmフィルムで映像を作ろう」も参考にして下さい。
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