● M9で焦点距離別にレンズチェック
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M9+ヘクトール28mmF6.3。
絞りF12.5・AE、ISOオート(東京東村山) |
これは大変だと、とりあえず手元にあったライカマウントのレンズを引っ張り出してチェックした。まず、焦点距離の最も短いものとして「コシナ・フォクトレンダーのスパーワイドヘリアー15mmF4.5」これはスーパーアンギュロンほどではないが被写体状況によってはやはり赤く左周辺が色づく、続いて「キヤノン25mmF3.5」こちらは特に問題ない、さらに「ヘクトール28mmF6.3」こちらも被写体状況によっては左周辺部に微妙に色づく、「ズマロン28mmF5.6」問題なし、「ズミクロン28mmF2 ASPH.」問題なし、「M-ロッコール28mmF2.8」問題なし、「ズミクロン35mmF2」問題なし、「コシナ・フォクトレンダーノクトン35mmF1.4クラシック」問題なし、「コシナ・フォクトレンダーウルトロン35mmF1.7」問題なし、「ズマール5cmF2(沈胴)」問題なし、「ズマリット50mmF1.5」問題なし、「ズミクロン50mmF2(沈胴)」問題なし、改造「シュナイダー・アリフレックスシネクセノン50mmF2」問題なし………というわけで、どうやら28mmあたりを境にして、赤い偏色が発生するのではないだろうかと考えた。
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M9+ズミクロン28mmF2 ASPH.。
絞りF2開放・AE、ISOオート
(ライカM4を手にする飯田鉄さん、東京新宿) |
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M9+ズミクロン35mmF2。絞りF8・AE、ISOオート
(東京都立東大和南公園) |
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そんな話を写真仲間に話したところ、海外でも話題になっているようだ。
http://www.kenrockwell.com/leica/m9/lens-compatibility.htm
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M9+トリエルマー16-18-21mmF4。焦点距離16mm、
絞りF8・AE、ISOオート |
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M9+トリエルマー16-18-21mmF4。焦点距離18mm、
絞りF8・AE、ISOオート |
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M9+トリエルマー16-18-21mmF4。焦点距離21mm、
絞りF8・AE、ISOオート
(いずれも東京東村山、国宝正福寺) |
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そこで各レンズを調べるのも大変なので、ざっくばらんにライカカメラの担当者に聞いてみると、6bitコード付きのレンズならまったく問題ないという。さらに、一部で赤く偏色する問題は承知しており、将来的にファームウエアの更新で対応するというのだ。これはうれしいアナウンスだ。
それでもやはり気になるので、ライカのM8以降に出てきた超広角レンズである6bit対応の「トリエルマー16-18-21mmF4ASPH.」と6bit対応でない「コシナ・カールツァイスビオゴン21mm F2.8ZM」で試してみることにした。結果は実につまらないことになった。トリエルマーの16mm、18mm、21mmの各焦点域では、まったく問題ない。おまけにビオゴン21mmF2.8ZMでも問題ない。それも6bitコードはあまり関係ないようだ。M9のレンズ検出は、オフ・オート・マニュアルをセレクトできるが、実際スーパーアンギュロン21mmF4でオフの状態とマニュアルで焦点距離近似のトリエルマー21mmF4を選択しても赤く偏色するのは変わらない。
さらにトリエルマー16mmそのものでオフとマニュアルを選択してみても大きく変わらない。わずかに周辺部とシャドー部が明るく持ち上がる気がする程度である。このあたりの効果はM8のときと同じだ。
6bitコードの効用は、むしろexifデータに焦点距離情報が加わることではないだろうかと考える。ただしこれは、通常6bitコード付きレンズの場合であって、トリエルマーのように焦点距離が可変できる場合には、オートセットの場合でも基準は最広角側にセットされているようだから、そのつどマニュアルで焦点距離情報を入力しなくてはならない。これはライカであるがための機構的制約からくるものであって、技術的にはオートセットも可能かも知れないが、致し方ないところだろう。
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M9+トリエルマー16-18-21mmF4。焦点距離16mm、
絞りF5.6・AE、ISOオート(奈良県朝護孫子寺) |