●さまざまな場面で使ってみました
季節がらと、僕の生活の範囲からすると、ランダムな撮影は自然の風景をねらうことが多くなりました。まずはご覧ください。
【作例5:ソテツの花】絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例5:ソテツの花】75mm画角(50mm)という単焦点で中距離から使ってみたら、どんなボケを示すだろうかとして撮影したカットです。ソテツの雌花にピントを合わせ、背景がボケる距離での撮影ですが、ボケ具合は素直にくせのない描写を示しています。このカットで驚いたのは、ソテツの雌花の写った部分の分解能の高さです。まずは、画素等倍にして、ソテツの雌花と葉をご覧ください。Foveonならではの、独特なシャープさはおわかりいただけると思います。
絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。
【作例6:スイセンの花】絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例6:スイセンの花】庭園内を歩いていたらスイセンの花が満開でした。その美しさに誘われてシャッターを切りました。露出レベルも適切で、この1枚の写真の中に、スイセンの黄色が大きく占めていますが、後方には濃いめの黄花のスイセンもあり、さらにヒヤシンスなどの紫もあるのですが、とりわけ微妙な黄色の色再現の違いをきれいに分離再現しています。
絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO100、AWB。
【作例7:赤いツバキの花】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO400、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例7:赤いツバキの花】もっと近づいて撮影するようにと赤いツバキの花をねらってみました。もともとこのカメラのレンズは50mmF2.8 MACROとネーミングされているように、接写にも向く中望遠マクロレンズなのです。そこでクローズアップを試みましたが、赤い花びらの色分離もまずまずで、その赤い花びらの中央に花粉をつけた黄色いめしべが、いまを盛りとばかりにほのかな匂いを放っていました。絞りF5.6とわずかな絞り込みながら花粉を含めてシャープな描写を見せてくれました。近づいて撮影すると、被写界深度が浅くなり、手ブレしやすくなるので、手持ち撮影の場合には、感度を上げるなどして対策したほうがよいでしょう。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO400、AWB。
【作例8:紫色の花】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO200、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例8:紫色の花】同じように紫色の花びらの周囲に白色の縁取りある花を撮影してみました。このカットで驚くのは、その色分離の良さと花びらのシャープさです。この描写こそが作例5にもありましたFoveonクアトロセンサーの描写ならではのものです。拡大してじっくりとご覧ください。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO200、AWB。
【作例9:春の木々】絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例9:春の木々】さらに細かい花だとどうでしょう。春の訪れとともに一斉に咲きだした木々の花をねらってみました。それぞれの花はシャープに解像しており、黄色の花、ピンクの花、赤い花、やっと芽吹いた木の芽の緑、枝の茶色、それぞれすべてがシャープさとともにきれいに色分離しているのがわかります。
絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。
【作例10:スチルライフ】絞り優先AE(F11・1/160秒)、+0.3EV、ISO400、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例10:スチルライフ】75mm相当という画角からマクロレンズ的に使ってみようと試したカットです。本来ならもっとさまざまなフルーツとチーズとかナッツとかあり、それにグラスに注がれたワインでもあればサマになる写真になるかもと思ったのですが、急に思い立ってわが家の冷蔵庫をあさった結果なのですが、かなり寂しいですね。ピントはキウイに合わせましたが、表面の毛、カットされた果肉とタネの描写はさすがでした。しっかりとピントが欲しいので三脚を立てて、F11まで絞っての撮影ですが、意外と深度は浅いのです。
絞り優先AE(F11・1/160秒)、+0.3EV、ISO400、AWB。
【作例11:石仏】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例11:石仏】dpクアトロシリーズを使っていて思ったことは、シャープで解像感あふれる写真が撮れる反面、石仏のようなものをねらった時には、表面が固くなりすぎずに、意外と調子が飛ぶようなことがないことです。このカットは、お寺の境内を歩いていた時に見つけた石仏です。真夏日ではなく、春先の柔らかな光の中での撮影ですが、本来なら三脚をセットしての撮影なのでしょうが、手持ちでもブレなく、石仏のもつ細かなディテールを撮影できました。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO100、AWB。
【作例12:ドーム】プログラムAE(F9・1/800秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例12:ドーム】遠距離の西武球場ドームの屋根が雲の間から差す太陽光で輝いていたので、メタリックな感じがどこまで再現できるだろうかと、シャッターを切りましたが、ドーム屋根のハイライト部がうまく感じをだしてくれました。
プログラムAE(F9・1/800秒)、ISO100、AWB。