【作例13:会津のサクラ】プログラムAE(F7.1・1/500秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例13:会津のサクラ】サクラの花を追いかけてきて、会津の喜多方で見つけた1本サクラです。のどかな田園風景の中に満開のサクラの木が社に植わっていたのです。背景に広がる雪を抱いた会津の山々、まさに日本の原風景ともいえる光景です。Made in Aizuとはシグマ製品のキャッチフレーズ。この会津は、シグマdp3クアトロの故郷なのです。カメラも故郷に帰れてうれしかったのではないでしょうか。遠距離の被写体ですが、ピントは当然のこととしてサクラの花に合わせてあります。画素等倍まで拡大して見ると、花びらがしっかりと解像していて、右の木の枝には鳥が羽を休めていて、その下の地面には、スイセン、クロッカス、チューリップなどが咲いていて、春がきていることを知らせています。
プログラムAE(F7.1・1/500秒)、ISO100、AWB。
【作例14:Hさん】絞り優先AE(F2.8・1/100秒)、ISO400、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例14:Hさん】アーツ千代田3331に写真展を見に行って、作品の前で作者のHさんを作品とともに撮らせてもらいました。写真ギャラリーというよりは、元学校を利用した展示会場といった雰囲気の場所です。当日は、あれこれと撮影しようと考えていましたので、持参した三脚を使用しました。ISO感度400、F2.8・1/100秒、決して手持ち撮影ができない明るさではありませんでしたが、三脚使用で安心して撮影できました。露出としてはまずまずの適正ですが、+0.3EVでも露出補正すると良かったようです。やはりここは、補助光としてストロボを使うべきなのでしょう。
絞り優先AE(F2.8・1/100秒)、ISO400、AWB、三脚使用。
【作例15:花桃まりさん】マニュアル露出(F2.8・1/80秒)、ISO100、AWB、手持ち撮影、クリップオンタイプストロボ発光。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例15:花桃まりさん】高解像感というと硬い描写という印象がありますが、実は経験的に人物の肌はなめらかに描写されるのもFoveonの特性だと感じています。そこでモデルさんに登場願いました。撮影は、もっと早い時間だとよかったのですが、都合をつけてもらったのが夕方の5時少し前でした。当日は晴天でしたので、その時間でもまだ明るかったのですが、補助光としてストロボを用意していたおかげで無事に撮影できました。ストロボは汎用のクリップオンタイプで、アクセサリーシューの接点に連動して発光するだけのタイプなので、マニュアル露出での撮影となりました。ストロボをISO100・F5.6のオートモードにセットし、手ブレを起こさない程度の高速にカメラ側のシャッター速度を設定し、あれこれと試してみた結果の1枚です。ストロボ光のおかげで、わずかながらキャッチライトが入りました。肌の感じも自然で、右目にピントを合わせましたが、まつ毛にしっかりと合っているのがわかります。ストロボ光が日中シンクロとして機能したようです。
マニュアル露出(F2.8・1/80秒)、ISO100、AWB、手持ち撮影、クリップオンストロボ発光。
【作例16:ミズバショウの花】1.2×テレコンバーターを装着しての作例。実焦点距離60mm(90mm相当の画角)となる。絞り優先AE(F2.8・1/400秒)、ISO100、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例16:ミズバショウの花】dp3クアトロと同時に発売された専用の『1.2×テレコンバーター』を装着しての作例です。もとのレンズが焦点距離50mm(75mm相当画角)ですので、1.2×テレコンバーターを取り付けることにより焦点距離60mm(90mm相当の画角)となります。撮影は三脚に取り付けてとなりましたが、マスターレンズの時も、テレコンバーターを付けた時にも、焦点距離が長いこと、近接では撮影倍率が高いこと、被写界深度が浅いことなどがあるので、この種の撮影は手持ち撮影では厳しいものがあります。
絞り優先AE(F2.8・1/400秒)、ISO100、AWB、三脚使用。
【作例17:カタクリの花】1.2×テレコンバーターを装着しての作例。絞り優先AE(F2.8・1/500秒)、ISO100、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例17:カタクリの花】こちらも1.2×テレコンバーターを装着しての作例です。当初は一輪のカタクリの花のアップの撮影をと考えていましたが、撮影のタイミングとしては少し盛りを過ぎた時期でした。そこで花のクローズアップ撮影はあきらめ、群落を撮影することにしました。結果として、前ボケ、後ボケが確認できる写真となりましたが、合焦している部分はいかにもクアトロの描写で、合焦部分は光学平面上横に帯を引いたようにピリッと描写しています。アウトフォーカスしたボケの部分はご覧のようにくせのない描写で、深度は実焦点距離で考えている以上に浅い印象です。広角系のdp1クアトロ、dp2クアトロではあまり考えなかったことですが、このためにはぜひ絞り込みによるプレビューが可能になるといいなと思うわけです。
絞り優先AE(F2.8・1/500秒)、ISO100、AWB、三脚使用。
●終わりに
これで、このレポートで残す機種は“dp0クアトロ”の使用だけとなりました。すでに2月に開催されたCP+2015で展示されたのですから、遅くとも年内には発売になるでしょう。そこで改めて、dpクアトロシリーズがすべてラインナップされた時の使い方を考えてみたのですが、結局、4台同時に持ち歩くということがベストなのかもしれません。今回の撮影に当たり、改めてdpシリーズのアクセサリーを調べていたら、何と3台を同時に収納できるウエストバックがあるのです。これにはびっくりしました。dp0クアトロからdp3クアトロまでの4台入るバックもでてくるのかなとも考えましたが、いや1台は首から下げて、残り3台をバックに入れればいいのかな。いや、その時テレコンバーターの収納はどうしたらいいのだろうかと考えたら、なかなか楽しいのです。
なお、参考までにCP+2015での
山木社長のトークは、YouTubeにアップされていますのでそちらをご覧ください。クアトロセンサーを使った一眼レフ、フルサイズのクアトロセンサーについても言及するなど興味あるお話です。また、Foveon dpクアトロセンサーの技術についての詳細は、本シリーズの
第二十五回「シグマdp2クアトロ」に記述してありますので、そちらを参照してください。
2015.5