●AF-Sニッコール300mmF4 E PF ED VRを使ったら
さて、実際の撮影結果はどうなのでしょうか、【作例1と作例3〜14】までに、実写例を示しました。いつものように英国大使館の正面玄関では画角が狭すぎることから、今回のテストシーンには向かないために省略し、すべて通常の撮影で検討することにしました。じっくりとご覧ください。
【作例1:大観覧車】望遠300mmの画角ってどのくらいあるのだろうかと、人のいる観覧車のカゴをねらってみました。
絞り優先AE(F5.6・1/2500秒)、ISO400、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例2:大観覧車】同じシーンを「AFニッコール35mmF2D」レンズでねらってみました。300mmとの画角差をご覧ください。
絞り優先AE(F5.6・1/2000秒)、ISO400、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例3:ショウブ】早咲きのショウブの花株をねらってみました。ボケ具合、色再現性(発色具合)ともにまずまずです。
絞り優先AE(F4・1/5000秒)、ISO400、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例4:アジサイ】アジサイの花を近接状態で撮影しました。背景のボケ具合はご覧のとおり自然です。
絞り優先AE(F5.6・1/6400秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、三脚使用、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例5:ハスの花】池の中に咲くハスの花をねらってみました。ハスの花びらはマクロレンズでねらったようなカリカリとした印象はありませんが、柔らかで好感ある描写です。背景左上側のボケが一部横に重なったような感じがしますが、複雑にハスの葉が生えているためだと考えられます。
絞り優先AE(F5.6・1/1600秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、三脚使用、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例6:クローバーの花】300mmF4の深度はどのくらいとばかりに2mばかり先のクローバーの花をねらってみました。背景のボケ外側がわずかに同心円状に弧を描いています。このあたりがPFレンズならではの描写特性でしょうか。
絞り優先AE(F4・1/2500秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、三脚使用、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例7:ネギ坊主】長ネギの花です。可能な限りネギの花に近づいて撮影しました。F8と絞り込まれた結果でしょうか、撮影距離が短く分解能が高いせいでしょうか。いろいろ撮影したなかでは最もシャープに撮影できたカットです。
絞り優先AE(F8・1/1000秒)、+0.3EV、ISO800、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例8:カワセミ】池のほとりにきたカワセミをねらってみました。手持ちVRの撮影はきわめて快適ですが、この場所からの撮影だと300mmは、まだまだ短いようです。1000mmぐらいがちょうどいいようです。
絞り優先AE(F5.6・1/1600秒)、ISO800、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例9:モウソウチク】すっかり青竹となった孟宗竹の根元をねらいました。皮の部分のシャープさはなかなかです。右側の背景のボケにわずかに2線ボケのような描写ですが、少しきびしく見ているかもしれません。
絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例10:しめ縄と幣束】鳥居から下げられたしめ縄と幣束をねらってみました。背景との輝度比が高いため、若干、硬質な描写の感じがありますが、言葉を変えればそれだけクリアでシャープだということになります。右端の提灯のボケ具合もまずまずです。 絞り優先AE(F5.6・1/2500秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例11:仲良し】3人の若い女性が車から降りて、浴衣姿で歩いてきたので1枚撮影させてもらいました。駐車場の脇での撮影ですが、3人が横に並ぶとなると、ぎりぎり後ろまで下がらなくてはなりませんでした。絞りF4開放のAF撮影ですが、逆光に輝く髪の毛、帯と浴衣の生地の目など細かく描写されています。浴衣がよく似合い、何よりも楽しそうな表情をしてくれたのがうれしいです。
絞り優先AE(F4・1/8000秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例12:ユズの実】小料理屋さんの店先に並んだ柚子の実をスナップ。本来は深度が深くなるように、もっと絞り込んだ方がよいのでしょう。露出としてはわずかにアンダーですが、色調としては渋い感じで好みです。
絞り優先AE(F5.6・1/6400秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例13:バッタ】生けられたアジサイの花とススキの葉に手で組まれたバッタが止まっていましたので撮影させてもらいました。最短撮影距離約1.4m付近で、シャッター速度1/250秒は、手持ち撮影ぎりぎりかと思いましたがVRの効果で余裕でした。むしろAFでバッタにピントを合わせるのに苦労しました。 絞り優先AE(F5.6・1/250秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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【作例14:木の葉】手前はヤナギの木、奥はサクラの木でしょうか。本来この手の、込み入った被写体の描写は苦手とするレンズが多いのですが、撮影距離も良かったのかもしれません。ヤナギの葉が1枚1枚しっかりと解像しているあたりは立派なものです。 絞り優先AE(F5.6・1/6400秒)、ISO1250、AWB、ニコンD3s、手持ち撮影、ノーマルVR-ON。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
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今回のAF-Sニッコール300mmF4 E PF ED VRの使用にあたっては、ニコンD3sを使いましたが、1200万画素のカメラではどのようなものかなとか、最近のニコンD810やソニーα7R、シグマdpクアトロシリーズなどの高画素タイプの画像を見慣れてしまっているので、解像力的には足りるのかなどとも考えましたが、実際はそうではありませんでした。
撮影した印象としては、もともと「AF-Sニッコール300mmF4 E PF ED VR」はスポーツ写真などに向き、本来は僕のような撮影に使うレンズでないような気もするのですが、僕の撮影守備範囲はこのようなものでして、これから買おうかなという人には、少しでも指針になればと思います。なお基本的に僕の使用記は、使ってみた印象を素直に書いており、機械に対しては最大限愛着をもって接していますので、一般的に回折格子光学系で苦手とされる逆光や点光源などの撮影は、僕の日常の撮影スタイルにはもともとないし、あら捜し的撮影は苦手なのです。