【写真16】(写真をクリックすると拡大されます)
■Fujifilm XE-1+Fujinon Lens XF35mmF1.4R
【写真16、作例16】
2012年2月に発売された「フジフイルムX-Pro1」に引き続くミラーレスカメラ「フジフイルムX-E1」が発売されたのは11月のことでした。X-Pro1とX-E1の大きな違いは、前者が背面液晶に光学ファインダーとEVFの切り替え式であったのが、X-E1ではEVFと背面液晶だけになったことです。撮像素子はどちらも同じAPS-C判の1,630万画素、X-Trans CMOSです。このX-Trans CMOSとは従来の2×2画素を1単位としたバイヤー配列のカラーフィルター配列でなく、6×6画素を1単位とした独自の周期性の低いカラーフィルター配列のために、従来モアレ除去のために必要とされていた光学ローパスフィルターを不要とし、シャープな画質を得られるというものです。
使用したレンズは、標準の「フジノンXF35mmF1.4R」です。撮像素子がAPS-C判なので、35mm判で約52mm相当の画角となります。
【撮影データ】絞りF5.6・1/800秒、ISO200、AWB、撮影:2012/12/23
【作例16】(写真をクリックすると拡大されます)
撮影結果をご覧ください。フォーカスポイントは、縦7列、横7列の49ポイントあるので最上列の中央を使いAFでピントを合わせました。パソコンのモニター上で画素等倍に拡大してみましたが、1,630万画素というのにかなりシャープに見え、素晴らしい画質です。以前「ミラーレスでライカレンズを使う」というレポートでX-Pro1を使用したことがありますが、ここまで際立ったものはありませんでした。たぶん使用レンズがライカレンズ、それもクラシックであったために性能的にレンズの解像度に性能が引き下げられてしまったのではないだろうかと考えました。やはり、使用レンズは専用がいいわけで、XF35mmF1.4Rレンズはむりした大きさでなく、光学性能だけでなく、各種光学特性などを電気的にボディとやり取りし、X-Trans CMOSの性能が十分に発揮された成果ではないだろうかと思うわけです。この時期、改めて見直しました。
【写真17】(写真をクリックすると拡大されます)
■Sigma DP1 Merrill
【写真17、作例17】
レンズ非交換式でAPS-C判のイメージセンサーを使った「シグマDP1メリル」は2012年9月の発売です。独自なフォビオンイメージセンサーはRGBの色分解フィルターを使わないで、4,400万画素というデータを出力します。シグマによると4,400万画素という高画素性能を存分に発揮するためにはレンズシャッター式カメラがベストだということなので、シグマでは一眼レフのSD1メリルもラインナップしてますが、お勧めは単焦点式のコンパクトカメラで「DP1メリル」、「DP2メリル」、「DP3メリル」と3機種が発売されてます。ここで使用したDP1メリルは19mmF2.8レンズを搭載。35mm判換算約28mm相当の画角となります。
【撮影データ】絞りF5.6・1/800秒、ISO200、AWB、撮影:2012/12/09
【作例17】(写真をクリックすると拡大されます)
撮影は、AFフレームを移動させることができるので、9点あるうちの、上列・中央を紋章に合わせるようにして行いました。結果はご覧のとおりですが、パソコンモニターで見る画素等倍の画面では、高画素タイプそのものの高画質であり、ライカMモノクローム、ニコンD800Eに並ぶ高画質ぶりを示しています。
【写真18】(写真をクリックすると拡大されます)
■Sigma DP2 Merrill
【写真18、作例18】
「シグマDP2メリル」は、前項のDP1メリルのレンズを30mmF2.8としたもので、その他外観デザイン、使い勝手は両機種とも変わらないところが特徴です。30mmF2.8は35mm判換算45mmレンズ相当画角となります。発売は、2012年7月であるので、こちらのほうが先行発売されていたのです。また2013年2月には35mm換算75mm相当画角の準望遠となる50mmF2.8レンズを搭載した「シグマDP3メリル」が発売されていますので、広角・標準・望遠とそろったことになります。どれを選ぶかはお好み次第というわけですが、難しい選択です。いずれにしても単焦点で3台というのもすごいもので、先日技術担当の人にズームレンズ付きはださないの?と聞いたら、きっぱり“だめです”といわれてしまいました。
【撮影データ】絞りF5.6・1/1250秒、ISO200、AWB、撮影:2012/12/09
【作例18】(写真をクリックすると拡大されます)
撮影法は、DP1メリルと同じ方法で行いました。実写結果はご覧のとおりですが、DP2メリルのほうが同じ場所からの撮影で倍率が高いことになり、解像力は高いことになります。
なお記録画素数4,400万画素は、4,704×3,136×3層の計算からでてきますが、実質的な解像感は3,000万画素相当の画質と計算でき、これはRGBカラーフィルターをなくしモノクロ専用機の「ライカMモノクローム」の解像感が1.6〜1.7倍よいと計算して、3,000万画素相当の解像感が得られるとした値とかなり近似したものになります。