【写真19】(写真をクリックすると拡大されます)
■Sony Cyber-shot DSC-RX1
【写真19、作例19】
ソニーサイバーショットDSC-RX1が発売されたのは、2012年11月のことでした。RX1の最大の特徴は、フルサイズで有効画素数約2,430万画素のCMOSセンサーを採用し、ツァイスゾナー35mmF2レンズを非交換式として搭載した高級コンパクトカメラであることです。なぜ、非交換式にしたかということですが、レンズ交換式ではだせない1/1000というような細かいオーダーまで作り込みができ、画面周辺までピントがぴったりでるというようなことを新聞広告で読んだ気がします。外付けのファインダーは、EVFと光学式の2種が用意されています。
【撮影データ】絞りF5.6・1/500秒、ISO100、AWB、撮影:2012/11/16
【作例19】(写真をクリックすると拡大されます)
撮影結果からすると、そのあたりのこだわりが見えてくるかというとなかなか難しいことですが、確かにモニター上で画面周辺までむりのない画質であると、判断することができます。なおソニーは、より高画質モデルとして、光学ローパスフィルターを外した「サイバーショットDSC-RX1R」を2013年7月に発売しました。光学ローパスフィルターに関しては、一眼レフでは35mm判フルサイズのニコンD800とD800Eがフィルターありと効果打消しの技術を採用し、35mm判APS-CのペンタックスK-5IIとK-5IIsはフィルターありとなしのモデルが用意されています。ソニーDSC-RX1Rは、フルサイズでレンズシャッター機であるわけですから、ありとなしでどのような描写をするか大いに興味があります。
【写真20】(写真をクリックすると拡大されます)
■Ricoh GR
【写真20、作例20】
ペンタックスを傘下にしてから初のリコーブランドの「GR」です。古くは、その源として1994年に発売されたフィルムカメラで薄型コンパクトの“リコーR1”にまでさかのぼることができ、28mmレンズを搭載したフィルムカメラの“GR1”として登場したのは1996年でした。その後、超広角21mmレンズ搭載の“GR21”が2001年に登場し、フィルムカメラの時代は終わりました。4年の空白を経て2005年に登場したのが“GRデジタル”です。GRデジタルは、II(2007)、III(2009)、IV(2011)と進化を遂げ、高画質レンズを搭載し、同デザインのボディ、1/1.8〜1.7型の1,000万画素近辺の小型CCDを搭載と変わらずにきましたが、APS-C判CMOS搭載で「リコーGR」として2013年5月に発売されたのです。
【撮影データ】絞りF5.6・1/750秒、ISO100、AWB、撮影:2013/05/06
【作例20】(写真をクリックすると拡大されます)
この「リコーGR」は、APS-C判という大型センサーを使いながらもフィルムカメラ時代のGR1とほぼ同寸に仕上げたというのです。この大きさは、GXR+GRレンズA12_28mmF2.5と比較してみれば一目瞭然で、ご立派な大きさです。そこで、かんじんの写り具合ですが、やはり画素分だけいいという感じですが、実際は、AFのレスポンス、実用感度幅、最短撮影距離が近くなっているなど、小型化とともに使い勝手は大きく向上しています。なお、GRレンズA12_28mmF2.5は光学ローパスフィルターは“あり”でしたが、GRでは“なし”になりました。
●定点観測で見えてきたもの
世の中、カメラに対してはいろいろな評価がでていますが、ここでのレポートはユーザーサイドに立った実写レポートであることを、まずご理解いただければ幸いです。今回改めて撮影時期をチェックしてみましたら、最も古いのは2011年7月の「リコーGXR+MountA12」のスーパーアンギュロン21mm
F4とヘクトール2.8cmF6.3の組み合わせでした。特にスーパーアンギュロンは、フィルム時代からのお気に入りで、それ以前にでていたMマウント対応のデジタルボディでは、ライカの製品でも満足いくものではありませんでした。やはりこのあたりから、個人的に定量的なデータが欲しいということになり。身近に存在する、英国大使館の本館を正面から撮影することを始めたわけです。
結果として、2013年7月現在までの、20シーンを紹介できたわけです。このポジションを被写体にして、一部社のカメラを比較したのには本コーナーの
第十四回「ミラーレスでライカレンズを使う」で、リコーGXR+A12Mount、ソニーNEX-7、フジフイルムX-Pro1のそれぞれに、ズミクロン35mmF2(第2世代)を取り付けて、同じ条件で撮影したものがあります。興味がある方は、ぜひそちらもご覧ください。なお、この時期、光学ローパスフィルターを外すことで高画質になるという考え方が流行っていますが、それそのものが高画質への要因だとはこの20点の作例からは、判断しきれませんでした。
撮影方法ならびに結果には、いろいろご批判もあるかとは思いますが、少なくとも同じ1人の人間が、同じ三脚を使い、同じ位置から、同じ絞り値で撮影しているわけですから、ある程度傾向は見えてくると思うわけです。また選択機材も、自分で購入したもの、仲間が購入したものをお借りして掲載するのを原則としていますが、一部にはメーカーさんから借用したものもありますが、極めて少数であることをお断りしておきます。今後も、気がついた機種がありましたら、テストしていくつもりですが、改めてこのコーナーに、追補できればいいなと考えております。
最後に、最新のデータは僕のブログである
「写真にこだわる」をご覧ください。また、うちの機種をなぜ取り上げないのかというお声もあるかと思いますが、あくまでも個人の興味の範囲だということをご理解いただき、ぜひテストしてほしいという機種がありましたら、お声かけいただければ、前向きに対処いたします。 (2013/07/25)