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までドウゾ!

昨年の10月のナポリ滞在中に、時計を路上でひったくられたので、その「報復処置」としてebayで、アリフレックスSRを買ったのが一台目。
昨年のクリスマスにウイーンのライカショップで、アリフレックスSR2を買ったのが2台目。
ハイビジョンのビデオカメラが40万円で買える時代です。
しかも撮影したムービーはそのままファイナルカットプロにて編集して、それをブロードバンドで送れる時代です。
実際、欧州のテレビニュースなどではこの方法を使って、人件費と経費を最低価格に絞り込んでいる組織もあります。
DVのカメラシステムに比較すれば、従来の映画システムというのは、フィルムに撮影して現像して、編集して音を入れてさらに上映用のプリントを製作して、、、、と、大変な時間とお金がかかるわけです。

そういう1960年代から70年代の昔の映画システムを、今更使う(これは最近、相次いで購入したアリフレックスSRとアリフレックスSR2のことばかりではなくざっと3ダースはある映画撮影機のことを言っているのですが)のは、これは私の単なる懐古趣味に他なりません。
フォルカーシュレンドルフの映画の撮影の手伝いをしたのは1976年2月のことで、映画の撮影カメラはアリフレックス35BL(これは当時としては最新のカメラジステム)でしたが、その映画撮影中の様子を取材に来た、ドイツ第二放送の取材チームが持参したのは、これも当時としては最新モデルのアリフレックスSRでした。35ミリ映画撮影機がカメラマンとアシスタントの2人の人間でなければ、オペレートできないのに対し、アリフレックス16SRの場合は、無論のこと、ワンマンオペレーションですから、そのカメラマンの視点はそのまま「放送される視点」となるわけで、今では個人がHDDVで、自由に個人の視点を表現できるのは当然な話ですが、1970年代には「小型で自由に撮影できる」というのはかなり、斬新なことであったのです。

アリフレックスSRは、アーノルド・リヒター社が最初に開発した、サイレントレフレックスカメラで、これは当時の同時録音の為の斬新が技術でした。小形軽量(ボデイだけで4、5キロ)でその信頼性と共に、世界中のフィルムプロダクションや放送局で愛用され、その生産台数は3000台(これはプロ機材としては画期的な生産台数です)に達し、そのモデルもSR1からSR2となり、現在はSR3となって、今でも愛用されています。
スペースシャトル内でもアリSRは使われました。

そういう超高級カメラ(要するに、ライカは個人で持つモノですが、アリSRの場合には機関や企業が持つモノですから)ですから、それを所有するのは夢のまた夢であったのが、ようやく価格が安くなってきたので、積年の夢がここにかなったというわけです。
もちろん、アリフレックスSRを磨いて遊んでいるわけではなく、積極的に「個人映画」を造っているわけですが、考えてみるとビデオやデジカメはその場で画像を得ることが出来るのに対して、私の愛用のフィルムはコダクローム40なので、まず撮影したロールはジュネーブのコダックに郵送、これが10日ほどで現像されて送り返されてきます。
別に一刻を争う報道関係の仕事をしているわけではありませんから、「このくらいの迅速さ」で私には充分なわけです。
まさに映画技術は「温故知新」とうわけですね。


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